倒産件数を都道府県別にみると、東京都(123件)が大差の1位。次いで、大阪府(54件)、北海道(26件)などと続いた。
業種別では、最多が「飲食店」(69件)に。以降は「ホテル・旅館」(53件)、「アパレル小売店」(34件)、「建設・工事業」(33件)、「食品卸業」(29件)などと続いた。月別にみると、トップ3の「飲食店」「アパレル小売店」は7月、「ホテル・旅館」は4月が最多になっている。
件数だけに着目すると、3業種ともに8~9月は1ケタで落ち着いているように見えるが、同社は「業界環境を反映しているとは言いがたい」とする。根拠としては、事業存続のための従業員削減や、各種支援を利用する事業者、また倒産ではなく「廃業」として姿を消している事業者が相当数存在していることを考慮すべきという。
また、アパレル3業態(製造・卸・小売)を合計すると69件、食品3業態(同)を合計すると64件になり、これらの業界も「飲食店」「ホテル・旅館」などと合わせて動向に注意していく必要がある。
今後については、新型コロナ関連倒産の性質が変化する可能性がある。同社によると、これまでに発生した倒産は、新型コロナの発生前から売上の減少や赤字経営、債務超過などの経営上の課題を抱えていたケースがほぼすべてを占め、新型コロナが”引き金”になって「一因倒産」に至っているという。
ところが、今後は課題を抱えていなかった企業でも、新型コロナの発生によって倒産に追い込まれる「主因倒産」が増加する可能性が高いと指摘している。同社は「仮に主因倒産が増え始めると、新型コロナ関連倒産の本質が大きく変化するとともに、取引先の連鎖倒産や焦げ付き発生、取引き先喪失といった実体経済への影響が出始めるだろう」と危惧している。