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あの会社の社員の平均年収はいくら?
上場企業の財務諸表から待遇を探る「これだけもらえる優良企業」シリーズ。今回は、串カツチェーンを展開する「串カツ田中」の持株会社、串カツ田中ホールディングスを取り上げます。
串カツ田中HD社員の平均年収は466万円
最新データ(2019年11月期)によると、串カツ田中ホールディングス社員の平均年間給与は466.3万円。ここ数期は右肩上がりで、3期前と比べて87万円も上がっていますが、これは後述する組織再編の影響と見られます。
- 2016年11月期:379.2万円
- 2017年11月期:385.5万円
- 2018年11月期:423.5万円
- 2019年11月期:466.3万円
「串カツ田中」第一号店は2008年、大阪ではなく東京・世田谷にオープンしました。2016年9月に東証マザーズ上場。2018年に持株会社体制に変更後、2020年6月に東証一部に市場変更しています。
2019年11月期までの業績は、8期連続増収、5期連続増益と好調でしたが、緊急事態宣言で直営店の休業を余儀なくされ、2020年11月期の売上高は前期比13.0%減の87億円、営業損益は4000万円の赤字となっています。
2021年11月期の通期予想はいまのところ、売上高は前期比28.6%増、営業利益は2.8億円にまで回復するという見通しを立てています。
串カツ田中HD社員の平均年齢は39歳
次に、従業員数と平均年齢、平均勤続年数(ともに単体)を見てみましょう。
串カツ田中HD社員の平均年齢は39.1歳。ざっくり言うと、30代後半で400万円台後半もらう人が多いということでしょうか。
- 2016年11月期:119人(28.8歳・1.8年)
- 2017年11月期:178人(29.5歳・1.9年)
- 2018年11月期:24人(34.4歳・2.2年)
- 2019年11月期:17人(39.1歳・2.6年)
この数字は串カツ田中ホールディングス本体(単体)のものですが、2018年11月期から持株会社化し管理機能に絞り込んでいるので、社員数が激減し、平均年齢も高くなっています。平均年間給与が急上昇しているのも、これが大きな理由かもしれません。
2020年11月末時点での店舗の内訳は、直営店が150店舗、FC店が126店舗の、計276店舗。グループ全体(連結)の従業員数は、2018年11月期が280人。2019年11月期が348人で、2期前の2倍近くに急増しています。
串カツ田中ホールディングスは飲食事業の単一セグメント。2020年11月期はテイクアウト・デリバリーが売上高に占める割当および金額ともに大きく増え、2020年5月は全体の45%、売上が回復した11月でも8%を占めています。
ソース廃棄量を37万リットル削減
串カツ田中では2020年6月からコロナ感染対策の一環で、金属製のケースに入ったソースに串カツを直接漬ける方法をやめ、プラスチックのディスペンサー(絞りボトル)を使って上から掛ける方法に変更しています。
これにより、ソースの廃棄量が約70%減ったとのこと。有名な「二度漬け禁止」の断りが不要になったうえ、年間で37万リットル相当の削減となり、コスト削減や食品ロス軽減につながりました。
コロナ対応で大打撃を受けている外食産業ですが、串カツ田中では、テイクアウト・デリバリーやテイクアウト容器の変更、スマホを使った新オーダーシステムなど、新しいしくみを作っており、事業体質を強くしていると考えられます。
また2020年には、テイクアウト中心で非アルコール業態の鳥と卵の専門店「鶏玉」をオープンし、海外展開を視野に入れています。
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