新聞記者からベンチャーに転職!サービスを作る側になって気付いた「ビジネスチャンスの見つけ方」 | キャリコネニュース - Page 2
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新聞記者からベンチャーに転職!サービスを作る側になって気付いた「ビジネスチャンスの見つけ方」

—— 川本さんは日本経済新聞の記者から RoomClip4 人目のメンバーとしてジョインされています。どんな経緯があったのでしょうか?

もともと代表の髙重とは大学の同級生でした。しかもルームシェアをしていたので彼が創業する様子をずっと間近で見ていました。

当時、僕は日本経済新聞の記者としていろいろな企業の取材をしていたのですが、特に創業者のお話はとてもエキサイティングだったんですね。経営戦略や事業計画の話も面白いけれど、創業期の話はもっと面白い。

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僕はこのまま話を聞く側なのか、それともビジネスを作る側になるのかと考えるようになり、身近で事業を興している髙重のところに飛び込まない手はないだろうと思いました。

—— もともとインテリアなどに興味はあったのでしょうか?

インテリアが特別好きなわけではありませんでしたが、ユーザーさんが投稿する家の中の写真を見ているのが面白かったんですよね。人の家の中を見る機会はあまりないですし、投稿された写真からその人の人間性が見えてくる。人の家の本棚を眺めているのが面白いのと同じ感覚です。

たとえば、バンドをやっている男性が投稿した部屋の写真に、壁に好きなバンドのポスターが飾ってあり、ギターが置かれていて、床に読みかけの本がいくつか置いてあるとしたら、それだけでもいろんな情報が詰まっていますよね。

すごくおしゃれな部屋の写真もあれば、一人暮らしの 1R をいかに工夫して使っているかの写真もある。小物やインテリアで棚や壁を装飾している写真があれば、玄関や脱衣所などの機能的な収納の写真もある。

おしゃれな写真ではなく、そういった日常的な写真を集めたプラットフォームには、ビジネスチャンスが転がっているのではないかと思いました。

ブラックボックス化していた領域だからこそ、チャレンジング

—— 人の家の本棚を見て面白い感覚、納得です。一方で、衣食住の「住」を扱うサービスだからこその難しさはないでしょうか?

家そのものや住宅設備、そして家具などの領域はそもそも購入頻度が低いので、消費者は商品に対する知識を高める機会がそもそも少ないんです。ソファーにしても 5 年、10 年買い換えないことはザラですよね。

住宅設備に関してはもっと購入頻度が低くなり、リフォームでドアや床を変えるのは数十年に一度あるかないかでしょう。

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さらに、業界の流通構造にも課題があります。たとえば家電なら大手メーカーがあり、大手家電量販店があるシンプルな構造なので、消費者はどこで何を買うか決めやすい。だけど、「住」に関するメーカーの流通はあまり知られていません。

たとえばソファーを買いたいとき、パッと思い浮かぶのは 2~3 のメーカーのみかと思います。インターネットで検索しても購入するケースは稀なので、購入するときにはテレビ CM で認知されているメーカーや、街に点在する小さな家具屋さんに行くと思います。

住宅設備になると、最終的に消費者が商品を購入するのは地元の工務店やハウスメーカー経由で、リフォーム業者に勧められるがままというケースはとても多い。こうした業界構造や消費者の意思決定の頻度の少なさからくる難しさはありますね。

一方で、今まで存在しなかった、家具・家電・住宅設備の情報を共有する場を RoomClip が担えば、業界構造・流通の仕組みを変えていく起爆点になり得ます。

実際、メーカーは RoomClip を通じて自社の商品がどう使われているのかわかるようになり、今まで取りにくかった一次情報を得られる手段として活用いただいています。難しい領域だからこそ、チャレンジングです。

潜在ニーズに応え、ユーザーの「貢献欲求」を満たす

—— 現在の月間ユーザー数は 400 万人、30〜40 代女性がメインユーザーだと伺いました。RoomClip はユーザーにどんな価値をもたらしているのでしょうか。

たとえばキッチン周りを綺麗にしたり、収納を工夫したりと、毎日家の中を綺麗にしても家族に気づかれないことがほとんどです。それが、RoomClip で写真を投稿すると、たくさんの「いいね」が付いて「参考になりました!」と賞賛されるんです。

実際、RoomClip にジョインした後、実家に帰ったときにキッチンを見たら、すごく綺麗に整頓されていたんですね。それを母親に伝えたら驚くほど喜んでくれて。「今までずっと綺麗にしていたけど、誰にも言われたことがなかった」と。

RoomClip を通じて人生が豊かになり、一人ひとりの暮らしを良くしていくことにつながっていく。市場の流通の観点でも意義があると感じています。

—— ある種、承認欲求が満たされる。

僕らは貢献欲求だと思っていて、「誰かの役に立ちたい」という欲求が満たされるんだと思うんです。単に褒められたいのではなく、「悩んでいたので参考になりました」「真似したらすごく整頓できました」という感謝の声がユーザーコミュニティを活性化させています。

ユーザー参加型広告プロモーションでコミュニティを活性化

—— 現在川本さんはビジネス部門を統括されています。どのようにマネタイズされているのか教えてください。

住まいや暮らし領域の企業様のマーケティング支援が大きなビジネスとなっています。特に 2 つのタイアップ型キャンペーンを評価していただいています。ひとつは「投稿キャンペーン」。家にある特定ブランドの家具を投稿してもらったり、建材メーカーや家電メーカーとのタイアップ企画で写真とコメントを投稿してもらいます。

もうひとつがモニターキャンペーン。家電や家具、生活用品をユーザーに使ってもらい、写真とコメントを投稿してもらうというものです。

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どちらもメーカーからすると顧客の生の声を得ることになりますし、投稿された写真を見に来るユーザーへのプロモーションにもなります。さらに、投稿された写真をカタログや販促物などの制作に利用することも可能。他にも、記事広告や純広告も展開しています。

—— 同じように写真を投稿する SNS メディアとの違いは何でしょうか。

大きな違いは、タグ検索したときに欲しい情報だけを得られること。例えば、インテリアブランド名で検索すると他の SNS メディアの場合、店舗の写真やカタログの写真、買い物している様子の写真などが混ざりますよね。でも、RoomClip ならそのブランドの家具がどのように家の中で使われているのかが見れる写真だけが上がってきます。

それから、一般的にメディアの広告はユーザーに嫌がられがちですが、RoomClip の場合は喜ばれるんですね。

ユーザー参加型の広告なので、投稿キャンペーンをやれば投稿ネタが増えますし、モニターキャンペーンも家具や家電がもらえる嬉しいもの。記事広告にしても、ユーザーの投稿写真を採用しているので、自分の写真が取り上げられるチャンスになっています。

クライアントからしても今まで集めるのが難しかった一次情報を大量に取れるため、ユーザー数が少ない頃から、大手家具メーカーや住宅設備メーカーがタイアップしてくれていました。

顕在化した市場なら小さなメディアに出稿する理由はありませんが、顕在化されていない市場では 1 万人分でも情報を取ることは難しい。クライアントとユーザーの双方に新しい価値を提供しています。

次のブレイクスルーを生み出し、「住」の文化を変えていく

—— 川本さんが仕事をする上で大切にしている考え方はありますか?

ひとつのアイデアでひとつの課題解決を目指すのではなく、複数の課題を一気に解決するアイデアを考えることです。

「このクライアントがこんな課題を抱えているので、このアイデアで解決します」ではなく、クライアントとユーザーの課題を一気に解決して強いサービスにしていく。それが差別化につながりますし、簡単に参入できない領域になっていくと思っています。

—— これから挑戦したいことはありますか?

RoomClip をもっと非連続に成長させていくことです。今の姿は仮の姿で、10 年後もアプリに写真を投稿する SNS メディアとして残っているわけがないと思うんですね。本質的な部分は変わらずに、次の形を作っていかないといけない。

だから違うバックグランドを持ついろんな考えを持つ人を仲間にすることで、次のブレイクスルーを生み出したいですね。

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それから、住まい業界やインテリア業界の構造を変える余地はたくさんあって、変えていくほどに RoomClip は売上が伸びます。

今は 400 万人が使うサービスに成長していますが、1億人が使うサービスになるには、貴重な一次データをもっと使いやすい形にして企業に活用してもらったり、ユーザーの購買支援につながる仕組みにしたりと、やるべきことはたくさんあります。

—— RoomClip の進化によって、日本の「住」に関する文化も変わりそうです。

まさに、住まいや暮らしの文化を変えていきたい。家の中を大切にする文化をつくっていくのは、ずっと変わらない壮大なテーマです。

「休日の過ごし方」を聞かれて「一日中家にいた」と言うよりも「友達とフットサルをしていた」と答えた方がイケてる気がしますが(笑)、家の中で DIY をしていたり、壁を塗り替えていたり、ガーデニングしていたらそれはとても素敵なこと。

友達との食事を外食にするのもいいですが、家に招いて食事をする機会が増えていけば、家の中をより居心地の良い空間にしたいと思うようになるでしょう。

ルームシェアや空き家のリノベーションなど、住まいに関する文化が変わりつつある今だからこそ、できることはたくさんある。誰もが持つ「住まい」には、もっと想像を超えるビジネスチャンスや、人の生活を良く変えていく可能性を秘めていると思っています。

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