「恋愛できない」「不健康になる」シフト制勤務がもたらす悪影響まとめ
不規則な時間や曜日で働く「シフト制」。正規雇用の仕事では、販売業や飲食業、旅客業、旅館・ホテル業、医療関係、保育関係、警察官・消防士等がシフト制を採用しているケースが。
土日に休みを取りにくかったり、次のシフトが決まるまで予定を立てづらかったり、何かと不自由なイメージがあるが、実際のところはどうなのだろうか。シフト制で働くリスクや、実際に働く人たちの本音をまとめてみた。
シフトワーカーは病気になりやすい?不規則な勤務が健康に与える影響とは
たとえ労働時間が同じでも、シフト制は固定制の仕事に比べて健康を害するリスクが高い。
10年以上シフト制で働いた人は記憶力、認知能力に影響が出やすく、回復には最低5年かかるという研究結果がある。また、2型糖尿病や乳がん、消化器系疾患、心臓病などへの影響等も指摘されているのだ。
こういった話を聞くと過度に不安になってしまうかもしれない。しかし、特に糖尿病や乳がんについては直接的に労働時間のみが関係しているのではなく、不健康な生活になりやすいことが要因になっているのではないかという見解も。
仕事上、規則正しい生活を送るのが難しい場合は、食生活や運動量、アルコール摂取量等に気を付けたい。決まった時間に就寝・起床ができない分、その他の生活習慣を乱さないほうがよさそうだ。【→詳しく見る】
婚活したくても休みが合わない!シフト制で働く人が抱える「恋愛・結婚へのハードル」
恋愛マッチングサービス「Omiai」の調査によると、不定休・長時間労働」で働く人は未婚率が高い傾向にあることが明らかになった。
ショップ店員や不動産仲介業、看護士や介護士、調理人や美容師などの職業につく人は、男女ともに未婚率が高く、シフト制・不定休であるケースが多い。
シフト制であっても、自己申告によってスケジュール調整しやすい職種であれば問題ないだろう。しかし、思うように休みが取れない労働環境では、恋愛や結婚にハードルを感じる人も多いようだ。【→詳しく見る】
名ばかりのシフト制?保育業界のブラックすぎる実態
シフト制で働く保育士の労働環境はどうなっているのだろうか。勤務3年目の三井さん(仮名)は、若干の手当を除いて手取りが月12万円という待遇だ。
大きな事故につながる恐れもあるため、保育中は子どもから片時も目を離すことができない。一方で、書類作成等のデスクワークも多い。
三井さんの職場の場合、手紙類は”手書き”がルール。勤務時間内には終わらないため、仕事を持ち帰り、ほとんど寝ないまま翌日の出勤時間を迎えることもある。休日に研修が行われることや、時間外に保護者から相談を受けることも。
「それでも頑張れるのは、子どもたちの成長が嬉しいから。でも、保護者からの理不尽なクレームや、先生同士の陰湿な嫌がらせなどメンタル面の負担もあり、激務とストレスから入社1年目に7キロも痩せました」
保育業界では、20万円近い基本給をもらえていれば勝ち組の部類に入ると言う。三井さんは休日や早番の日に居酒屋でアルバイトをしているが、時給換算すればバイトのほうがはるかに割がいい。
子どもたちのことを大切にする、真面目で優しい保育士ほど手を抜くことができない。こうした理不尽な待遇は一刻も早く改善されてほしいものだ。【→詳しく見る】
不規則なシフト、重労働、そのうえ出会いナシ!グランドスタッフが明かす職場の本音
グランドスタッフ(グランドホステス)は、空港で利用客の案内や搭乗手続きなどをするのが仕事。女性から人気のある職業だが、実際の労働環境はどうなのだろうか。若手グランドスタッフの女性たちに話を聞いてみた。
「基本は『早番2日、遅番2日、休み2日』っていうスケジュールがぐるぐる回ってる。これだと、普通の企業で働いている子よりもお休みが多くなっちゃうから、調整勤務が月に1回あって、5日働いて1日休みの勤務調整がある。これはきつい。」
早番のときは朝2時起き。遅番のときは午後5時半から夜中・明け方まで働くという生活だ。フライトは天候に左右されるため、仕事の終了時間が読めないつらさもある。また、見た目は華やかでも、立ちっぱなしの重労働だ。
お客様やパイロットとの出会いがあるかと思いきや、色恋沙汰も少ないらしい。
「そもそも職場に男性が少ないしね。男女比は1対9くらいかな。素敵だなって思う男の先輩は、だいたい結婚してるし。仕事を通じての出会いは、ないに等しいかな。」
この先も同じ職場で長く働くイメージが持てず、転職を考えているとのこと。キラキラしたイメージの職業でも、実際は体力勝負のようだ。【→詳しく見る】
シフト制の仕事選びは慎重に!ムリのない働き方が第一
曜日や時間が不規則なシフト制の仕事は、想像以上に体力を奪い、回復に時間がかかってしまうことが多い。長く働き続けたい場合は、働き方の自由度が高い職場を選んだほうがいいだろう。
ただでさえ生活リズムを保つことができないのに、プラスアルファで副業をしなければいけなかったり、時間外労働を強いられたりしてはたまったものではない。労働者を苦しめる職場は早くなくなってほしいものだ。