上場企業の財務諸表から待遇を探る「これだけもらえる優良企業」シリーズ。今回は、国内最大級の民間シンクタンクのひとつ、三菱総合研究所を取り上げます。
三菱総研社員の平均年収は993万円
最新データ(2020年9月期)によると、三菱総研社員の平均年間給与は993万3580円。3期前には超えていた1000万円台を、ここ数期は割り込んでいます。
- 2016年9月期:1031万6409円
- 2017年9月期:975万7163円
- 2018年9月期:941万6547円
- 2019年9月期:993万3580円
この額には、賞与や基準外賃金(手当など)も含まれています。企業口コミサイト「キャリコネ」に投稿された給与明細によると、38歳男性コンサルタントの年収は1,108万円でした。
勤務時間について「特に問題を感じていない」「アサインされたプロジェクトによるところが大きく(残業は)押し並べて多い訳ではない」と答えています。
三菱総研の業績はここ数年、売上高は900億円程度、営業利益は50億円程度で安定しています。
11月5日に発表された2020年9月期決算では、売上高が前期比2.2%増の920億円、経常利益が同46.7%増の83.8億円、当期純利益が同97.1%増の70.9億円となっています。
三菱総研社員の平均年齢は42.7歳
次に従業員数と平均年齢、平均勤続年数(ともに単体)を見てみましょう。
三菱総研社員の平均年齢は42.7歳。ざっくり言うと、40台半ばまでに1000万円もらう人が多いということでしょうか。
- 2016年9月期:896人(43.1歳・16.5年)
- 2017年9月期:911人(43.2歳・15年6ヶ月)
- 2018年9月期:891人(42.7歳・15年6ヶ月)
- 2019年9月期:930人(42.7歳・15年4ヶ月)
このデータも三菱総研単体のもので、グループ会社は含まれていません。グループ全体(連結)の従業員数は2019年9月期は4,011人。本体(単体)が占める割合は23.2%です。
なお、三菱総研の事業セグメントは「シンクタンク・コンサルティングサービス」と「ITサービス」に分かれていますが、単体の従業員はすべて全社に属し、後者は連結子会社の三菱総研DCSが中核となって運営しています。
調査・コンサルの実務経験者を募集中
2020年9月期のセグメント別売上高は、シンクタンク・コンサルティングサービスが345億8100万円、ITサービスが574億3800万円で、後者が上回っています。
一方、セグメント利益(営業利益)は前者が33億4100万円(営業利益率9.7%)、後者が28億7800万円(同5.0%)で、前者のシンクタンク・コンサルティングサービスが上回っています。
ただし2021年9月期の通期予想では、シンクタンク・コンサルティングサービスの経常利益は前期比22.4%減、ITサービスは同10.0%増となっており、ITサービスの成長が期待されます。
三菱総研の取引先は、売上構成比では「金融・カード」が45.0%、「一般産業(民間)」が30.8%、「官公庁」が24.2%となっています。
三菱総研では、シンクタンク部門、コンサルティング部門、政策・経済研究センター、営業、オープンイノベーションセンター、社内情報システム部で幅広く求人募集を行っています。ただし前述の通り、ITサービスの担当は三菱総研DCSです。
調査・コンサルティングの実務経験のある人には、魅力のある職場になるのではないでしょうか。
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