これだけもらえる優良企業の社員

上場企業の財務諸表から待遇を探る「これだけもらえる優良企業」シリーズ。今回は、三菱商事グループのITサービスおよびコンサルティングサービス事業の強化を目的として2008年に設立されたシグマクシスを取り上げます。

シグマクシス社員の平均年収は1152万円

最新データ（2020年3月期）によると、シグマクシス社員の平均年間給与は1152万7782円。前期より14万円あまり減ってはいますが、依然として1000万円を超える高給です。

• 2016年3月期：1036万7426円
• 2017年3月期：1058万2818円
• 2018年3月期：1149万6194円
• 2019年3月期：1167万3111円
• 2020年3月期：1152万7782円

この額には、賞与や基準外賃金（手当など）も含まれています。新卒採用の募集要項によると、初年度から裁量労働制の年俸制で480万円。定期賞与や決算賞与はないようです。

シグマクシスの業績はここ数期で大きく伸びています。

2020年3月期の売上高は160億円で4期前と比較すると1.7倍、営業利益22億円は同3.9倍です。キャッシュを稼ぐ力を測る営業キャッシュフローマージンも14.6％と高い水準です。

しかし2021年3月期はコロナ禍の影響もあり、大きく落ち込んでいます。上期の売上高は前年同期比で13.2％減、営業利益は同37.6％減。これは大口クライアントで全販売実績の1割を占めていた日本航空の業績不振による影響です。

シグマクシス社員の平均年齢は37歳

次に従業員数と平均年齢、平均勤続年数（ともに単体）を見てみましょう。

シグマクシス研社員の平均年齢は37.1歳。ざっくり言うと、30代半ば過ぎで1000万円を超える人が多いということでしょうか。

• 2016年3月期：339人（37.1歳・3.9年）
• 2017年3月期：396人（37.3歳・4.1年）
• 2018年3月期：428人（36.9歳・4.2年）
• 2019年3月期：487人（36.8歳・4.3年）
• 2020年3月期：517人（37.1歳・4.6年）

直近の4期間で1.5倍以上に増えています。なお、このデータもシグマクシス単体のものですが、グループ全体（連結）の従業員数は2020年3月期で524人で、ほとんどが単体です。

シグマクシスはコンサルティング業の単一セグメントですが、決算補足資料では3つのカテゴリで売上高の参考データが示されています。

例年は売上高の7割程度を「コンサルティングサービス（航空業界以外）」が占め、残りの3割を「コンサルティングサービス（航空業界）」と「ハードウェア/ソフトウェア製品調達代行サービス（プロダクトセールスを含む）」があげていました。

しかし2021年3月期は「コンサルティングサービス（航空業界）」が急減し、他のプロジェクトへのコンサルタントの再配置が進んでいます。また「製品調達代行サービス」はノンコア事業であるため今後は順次縮小していくということです。

「2025年の崖」問題がトピックに

シグマクシスは現在、企業のDX促進を支援する「戦略実現のシェルパ」として、デジタル技術を活用したサービスなどを提供しています。

決算補足資料にはいくつかのトピックが整理されていますが、冒頭にあげられているのが「2025年の崖」問題です。これは既存のSAP ERPシステムのメインストリームサポートが終了する2025年に、導入企業が対応に迫られることを指します。

シグマクシスには、ERPのクラウド化サービスを担うコンサルタントのSAP S/4HANA Cloud認定資格を取得した認定コンサルタントが40人以上おり、資格取得総数は業界トップクラスです。

シグマクシスのウェブサイトによると、社員の年齢構成比は20代と30代で64％。中途/新卒の比率は6対4で、中途入社コンサルのバックグラウンドは、コンサルタントが36％、ITサービスが30％、事業会社が29％、その他が5％とのこと。

現在、デジタルおよびビジネス関連の幅広い領域でコンサルタントを募集しています。大手企業の案件に関わって高給を得たいという人には、魅力的な職場となりそうです。

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