上場企業の財務諸表から待遇を探る「これだけもらえる優良企業」シリーズ。今回は、回転ずしチェーンなどを展開するグループの持株会社、スシローグローバルホールディングスを取り上げます。
スシローGHD社員の年収は812万円
最新データ(2020年9月期)によると、スシローGHD社員の平均年間給与は812万1770円。前期より35万円あまり減っていますが、800万円台を確保しています。
- 2017年9月期:797万0883円
- 2018年9月期:768万5257円
- 2019年9月期:848万0602円
- 2020年9月期:812万1770円
この額には基準外賃金(手当等)および賞与が含まれています。
2003年に東証二部上場。2007年にゼンショーが筆頭株主になりましたが、2008年に投資ファンドによる株式公開買い付けが行われて翌年上場廃止に。2011年に回転ずし売上日本一を達成後、2015年に持株会社化して、2017年3月に東証一部に再上場しています。
上場以来、業績を急速に伸ばしてきましたが、2020年9月期はコロナ禍の打撃を受け、売上収益こそ前期比2.9%増の2050億円と増収を確保したものの、営業利益は同17.1%減の120.6億円、最終利益は同35.2%減の64.6億円と減益に終わっています。
しかし2021年9月期は、テイクアウトなどが奏功して既存店の売上高が堅調なのに加えて、国内外の積極出店が寄与。通期予想は売上収益が前期比22.3%増、営業利益が43.4%増、最終利益は同62.6%増に回復する見込みです。
スシローGHD社員の平均年齢は40歳
次に、従業員数と平均年齢、平均勤続年数(ともに単体)を見てみましょう。
スシローGHD社員の平均年齢は40.3歳。ざっくり言うと、40歳で800万円台に乗る人が多いということでしょうか。
- 2017年9月期:48人(42歳・1.4年)
- 2018年9月期:52人(41歳・2.0年)
- 2019年9月期:169人(40.8歳・1.5年)
- 2020年9月期:190人(40.3歳・2.1年)
スシローGHDはグループを統括する持株会社のため、従業員数(単体)は少ないです。3期前の約4倍と急増していますが、これは2019年9月期に子会社から人事部等複数部門を移管したことなどによるものです。
グループ全体(連結)でも、2017年9月期の1,397人から2020年9月期の2,863人へと倍増していますが、主に海外事業の拡大に伴う新規採用を2018年9月期以降毎期行っているためです。
スシローグループは「すし事業」の単独セグメント。2020年9月期末時点で、国内586店舗(うちFCが3店舗)、海外38店舗の合計624店舗です。
4月の社名変更で「スシロー」外す
スシローグローバルホールディングスは2020年4月1日をもって、社名を「株式会社 FOOD & LIFE COMPANIES」に変更する予定です。
国内の回転ずしチェーンを中心に展開してきたスシローグループですが、2011年から海外市場に進出し、2017年には大衆寿司居酒屋「杉玉」をオープン、2019年には英国の「Wasabi Sushi Bento Limited」への出資を行うなど、多角化と業容拡大を図っています。
スシローグループの採用サイトには、「スシロー」の店長候補の求人が並んでいます。運営会社のあきんどスシローの全社員の平均年収は605.3万円、店長の平均年収は719.1万円とのこと。年間約30店舗の新規出店を続けているので、チャンスも多いとしています。
転職サイトにはスシローグローバルホールディングスの求人として、スシローグループの店舗設計やPR企画制作業務、経理部門のリーダー、システム開発・保守の募集があります。成長分野へのキャリアチェンジを考えている人には、魅力的な職場となるかもしれません。
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