上場企業の財務諸表から待遇を探る「これだけもらえる優良企業」シリーズ。今回は、まんがやアニメなどに関連するサブカルチャー商品を仕入・販売する、まんだらけ(東証二部)を取り上げます。
まんだらけ社員の平均年収は388万円
最新データ(2020年9月期)によると、まんだらけ社員の平均年間給与は388万2997円。前期より微減していますが、3期前と比べると17万円あまり増えています。
- 2016年9月期:383万2496円
- 2017年9月期:370万8346円
- 2018年9月期:380万8044円
- 2019年9月期:389万3428円
- 2020年9月期:388万2997円
この額には基準外賃金(手当等)および賞与が含まれています。
まんだらけは1980年から営業していた古書店を母体に、1987年に東京・中野ブロードウェイ内に会社を設立。2000年に東証マザーズに上場し、2015年には東証二部に市場変更しています。
企業口コミサイト「キャリコネ」への投稿によると、27歳女性正社員の年収は322万円。2016年の書き込みですが、当時は「毎日終電ギリギリまでサービス残業をしている人が評価される」面もあったようです。
まんだらけの業績はここのところ伸びており、2016年9月期には91.7億円だった売上高が、2019年9月期には100.6億円の大台に。営業利益も8.9億円まで回復しました。
しかし2020年9月期はコロナ禍の影響もあり、売上高は前期比10.3%減、営業利益は同71.1%減まで落ち込みました。
2020年12月の株主総会で、創業者の古川益蔵社長が会長に、アルバイト出身の辻中雄二郎氏が社長に就任。2021年9月期の通期予想は前期比で売上高7.0%増、営業利益83.5%増を掲げています。
まんだらけ社員の平均年齢は36.3歳
次に、従業員数と平均年齢、平均勤続年数(ともに単体)を見てみましょう。
まんだらけ社員の平均年齢は36.3歳。ざっくり言うと、30代後半で400万円近くもらっている人が多いということでしょうか。
- 2016年9月期:361人(34.3歳・8.4年)
- 2017年9月期:371人(34.9歳・8.8年)
- 2018年9月期:368人(35.2歳・9.0年)
- 2019年9月期:367人(35.8歳・9.4年)
- 2020年9月期:364人(36.3歳・9.8年)
まんだらけの事業は古物販売の単一セグメントで、日本のまんが関連古書、グッズ、アニメ関連商品等の仕入、販売というシンプルなものです。連結子会社、関連会社もありません。
有価証券報告書には「成長の停滞懸念」があることを認めつつ、ウェブ通販などを通じて全世界に向けて販売を拡大していくとのことです。
「従業員はほぼマイノリティで構成」
まんだらけでは、全国14店舗で正社員の中途採用を実施しており、2021年度の会社説明会は終了しましたが新卒採用も行っています。
「衣装をつけての勤務は可能」ですが、簡単な審査があるとのこと。年末年始の数日間はスタッフ全員がコスプレで勤務する「コスプレ週間」があります。
採用サイトには「まんだらけの従業員はほぼマイノリティで構成されています」と書かれています。
サブカルチャー商品をメインカルチャー化し、時代を超越して受け継がなければならない文化を守る、という経営方針は理解する必要がありますが、多様性を許容する職場で働きたい人には魅力的かもしれません。
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