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フルリモートワーク先進企業に学ぶ「失敗しない在宅勤務導入の秘訣」

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株式会社ビジネスストラテジー様は「動画広告を、もっとライトに」をコンセプトに、動画やウェブサイト制作、動画広告運用およびIT戦略コンサルティングを事業として2017年に創業。優秀な人材を集め、中長期的に会社とともに成長し、社会を幸せに変えるべく、働きやすい社内制度を整備。

2021年2月ホワイト企業認定 プラチナ取得を実現されました。コロナ禍以前より全社員フルリモートワークで練りこまれたシステムと運用があることが最大の特徴です。例えばシステム面では「働いている時間」や「何をしているか」を可視化するためのシステムを導入。オンラインでも徹底した生産性向上施策とフォロー体制を構築し、従業員のワーク・ライフバランスを実現しています。

広告業界に先駆けた働き方改革を実行する同社の取り組みについて、代表取締役社長の上田様からお話を伺いました。

フルリモートワークでもお互いの業務状況を可視化し、規律をつくることはできる

――御社はコロナ禍以前よりフルリモートワークだとお伺いしましたが、リモートワークでどのようにコミュニケーションや生産性向上をはかっていますか?

弊社は新型コロナウイルス感染症が流行する前の2019年秋ごろより、全員フルリモートワークで運営しています。フルリモートワークへ移行することで、社員の満足度を高めつつ、日本中から優秀な人材を採用できる仕組みにするべく、決断をしました。当時、ほとんどフルリモートの会社はなかったため、自分たちで試行錯誤しながら仕組みと文化を作り上げていきました。

特徴的な仕組みは「バーチャルオフィス※」の導入です。これはオフラインのオフィスと同じ機能を、可能な限りオンラインでも持たせることを目的に実施しています。例えば、誰が今働いているのかであったり、集中しているのか、リラックスモードで仕事をしているのかが、一目で把握できる仕組みを備えているため、話しかけるタイミングを掴みやすいメリットがあります。小さな会話の積み重ねによって業務が順調に回ることもありますし、雑談も大事にするのが特徴です。これは一般的なビジネスチャットだとなかなか実現できないものです。また、離れていても仲間の存在や状態を感じることもできるため、従業員の孤独感をなくす工夫をしています。

バーチャルオフィス背景画像

バーチャルオフィス背景画像

※バーチャルオフィスとは、仮想空間に擬似的なオフィスを設け、実際のオフィスを構えずともオンラインで従業員とコミュニケーションをとる仕組みのことです。

他にも、「リモートワーク向けの勤怠管理システム」を活用しています。弊社の場合は勤怠管理だけの利用ではなく、このシステムにより、今どのような業務をしているか、タスクごとの業務工数時間を全員が見られるよう権限が与えられており、個々の業務の見える化をしています。また、残業時間や隠れ残業防止、1分単位で労働時間の管理にも役立っています。

創造性が必要な高い付加価値をチームで作ることが、弊社のサービスのコアコンピタンスと言えます。そのため、魅力ある多様な人材の採用が大切であり、魅力ある職場づくりは必須です。フルリモートは“仕方なく”やるものではなく、強い意図をもって行うからこそ成功するものだと思っています。よく働き、良く休む…そんな職場を実現するために、私たちは結果的にフルリモートワークであっても、生産性を向上させることができています。

――定期的に対面で集まる機会は設けていますか?

はい、対面ならではの価値も重要視しています。現在は緊急事態宣言中を除いて、月に1度シェアオフィスで集まって戦略会議を、年に1度は業務委託社員も全員集う会を開いたりもします。さらに定期的な懇親会は会社が全額負担で実施しています。

対面の価値は、やはり“リアルな温度感で、目線を合わせて話ができる”こと。本当に重要な話だけ対面で、基本的な業務はオンラインで…と使い分けています。

基本業務はオンライン、重要な話は対面で。

基本業務はオンライン、重要な話は対面で。

未経験でもチャレンジがしやすい教育プログラムと、キャリアアップできる徹底したフォロー体制

――フルリモートでの研修や教育プログラム等はどのように実施していらっしゃいますか?

弊社では、200本以上の動画や記事で構成されているオンライン研修システムで効率的な教育体制を整えています。例えば、新人の方が入社された際の様々な手続きや社内ルール、システムの使用方法などは、社内専用のサイトにて全て可視化されております。また、その後の業務も全てオンライン上にマニュアル化されていますので、そこを見たら全てがわかるような仕組みになっています。また、そこで学んだ人は自由に記事を追加・補足できるようにもなっているので、常にアップデートをお互いにするようにしています。

――新人の方が初日からフルリモートで戸惑う場合や孤独感を感じる場合もあるかと思います。どのようなフォローをしていますか?

先ほどご紹介した、バーチャルオフィスでOJT担当を決めて研修を進めています。オフィスで仕事をしているときより、相手の状況がわかりやすいため、より話しかけやすいですし、気軽に違う部署の人が話しかけることも可能です。また、代表との1on1も定期的に実施し、感情面でもサポートするようにしています。

このような教育プログラムやバーチャルオフィスの導入により、熱量があれば未経験からでも動画広告を学べて、在宅でもキャリア形成が可能な体制が整っています。ここまでしっかり仕組みが整備された動画広告会社は、おそらく日本で弊社だけではないかな、と考えています。

研修もバーチャルオフィスでサポート

研修もバーチャルオフィスでサポート

――フルリモート以外にも、貴社は100%の有給取得率を実現している…との事ですが、取得しやすい仕組み作りなどはしていますか?

弊社では「良い仕事をするためには、休むことも重要だから、有給休暇は100%取得することが当然」ということを、私自ら率先して伝えています。この“休み=悪”ではない文化、というのが大きいかと思います。もちろん、システム側でも毎月管理しており、取得できないリスクがある場合は、該当者へ声掛けをするようにしています。必要であれば業務をコントロールして取得できるような環境を整えています。ちなみに私も育児休暇を取得しているほか、年1回は長期休暇を頂いています。

――ホワイト企業認定を取得した目的を教えてください。

前から良い資格だと思っており、岩元代表とのご縁をきっかけに取得しました。広告業界は、まだまだ無茶難題に24時間応えられる会社が選ばれる世界なので、労働基準法すらまともに守っていない会社が多いのが実態です。決して簡単なことではありませんが、この文化を変え、良い企業が残る仕組みを広告業界にも浸透させていければと考えています。

――今後注力していく取り組みがあれば教えてください。

更なる働きやすさの向上と、労働生産性の向上です。具体的には上場企業並みの福利厚生制度を目指し、現時点で退職金制度・昼食補助制度等の導入を進めるほか、より休みやすい環境づくりに取り組んでいます。これらの実現のためには、高い労働生産性が必要不可欠になりますから、様々な改善活動を深化させ、徹底的な無駄の排除と効率化を進めています。

また、在宅でのメンタルケアもさらに強化してまいります。今回、ホワイト企業認定の審査結果に基づき、産業医との面談や、スポーツトレーナーからの在宅での運動不足解消トレーニング等の研修も実施しています。弊社理念である「幸せな社会をつくる」を実現するため、改善が終わることはありません。

――最後にホワイト化を目指す企業様へ一言

ホワイト化を行うことは、企業戦略の一環として非常に重要だと思います。ぜひ取り組みを推進していきましょう。もしさらに詳しく聞きたければ、お気軽にご連絡ください。

<ホワイト財団のインタビューページ>

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