高校中退・不登校でも「未来へ踏み出せる」 当事者が動画で語る「ヒラケゴマプロジェクト」の思いとは | キャリコネニュース
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高校中退・不登校でも「未来へ踏み出せる」 当事者が動画で語る「ヒラケゴマプロジェクト」の思いとは

「ヒラケゴマプロジェクト」のページ

「ヒラケゴマプロジェクト」のページ

中退や不登校を経験した人でも、楽しんで生きている人はたくさんいる――。そうした事実を、当事者に語りかけるサイトがある。2014年9月に立ち上がった「ヒラケゴマプロジェクト」という動画サイトだ。

サイトには現在、男女合わせて7人の「経験」が掲載されている。

「高校中退したからダメとか、全くない。その経験があるゆえに考えたり感じられる体験もある。人生は選択の繰り返し。中退したことを自分の一歩としてしっかり受け止めて、そこから広がっていく未来を自分で作っていけたらいいと思う」(女性・32歳)

中退を「自分の一歩」として受け止められるか

文部科学省「平成26年度学校基本調査」によると、全国の不登校者数は約12万人。前年度より約7000人増加した。過去5年連続で減少が続いていたが、特に小学生では過去最高水準にまで戻してしまった。

高校中退者は一時より少なくなっているが、2013年は5万9742人で前年度より約8000人増加している。学校教育を外れてしまった子どもたちにとって、自分自身で別の選択肢を見出すことは困難な場合が多い。

ヒラケゴマプロジェクトを運営するnew-look代表理事の山口真史さんによると、中退や不登校で学校教育という「普通のレール」から外れてしまうと、劣等感や疎外感を抱いてしまう人が多いという。

「自分と同じような人がどこにもいない」
「将来どうなるのだろうか」
「自分って生きている価値あるのかな」

そうすると別の選択肢に進むときに、必要以上に高いハードルを設定してしまう。さらにそのハードルを超えるための情報が少なく、アクセスしにくいために、日常に流されたり、何もしなくなったりと悪循環に陥ることもある。

中退者や不登校者が「先輩たちに触れられる機会」を

山口さんは、中退者・不登校者が「将来に対するポジティブなヒント」を得られるようにと、このサイトを立ち上げた。これまで彼らにはロールモデルが少なく、そうした情報に触れる機会も少なかったからだ。

「当事者や経験者などからは、『自分のときにもこういうものがあれば良かった』『私の場合は本当に一人だった』といった声を聞いています。学校だけが人生じゃないし、不登校や高校中退も1つの生き方だということを社会に発信したい」

new-lookでは現在、高校中退や不登校などから進学や就職など新しいスタートを切るための応援をする「TOB塾」を、兵庫県の西宮市で運営している。さらに、若者への夜回り相談をする「ナイトクルージング」や、中退者と地域の農園をつなぐ「となりのはたけ」など様々な活動をしている。

「次のステップに上がるための学力と、自然に人と関わっていけるための社会性の醸成、いろんな進路を自由に考えられるための情報や環境。それらを利用できるベースとしての居場所などを、少しずつ整えていっています」

ヒラケゴマプロジェクトは今後も、多様なキャリアのインタビューを掲載していくという。「今後も中退者や不登校者が、その先輩たちに触れられる機会を増やしていきたい」と山口さん。こうした活動が、多くの人にとって「未来への一歩を踏み出すきっかけ」になるといい。

あわせてよみたい:「内向的な人が楽でない方向」に社会が変わってきた理由

 

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