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「どこよりも働きやすい会社に」建設コンサル最大手の日本工営が取り組む働き方改革

日本工営株式会社 エントランス(同社提供。以下同じ)

日本最大手の建設コンサルタント会社である日本工営株式会社は、社内のDXと働き方改革をテーマとして裁量的および多様な働き方を可能とする制度や環境の整備を進めている。

折しも創業75周年の節目を迎える日本工営は、どのようなイノベーションを繰り広げているのか。経営管理本部人事部長であり、事業戦略本部デジタルイノベーション部の生産効率推進室長である国峯紀彦さん、生産効率推進室長代理の森岡昌昭さんに伺った。(文:千葉郁美)

■DXや働き方改革の推進は建設業界の課題

日本工営株式会社事業戦略本部デジタルイノベーション部 生産効率推進室長の国峯紀彦さん

日本工営は創業以来、160か国で実績を持つ建設コンサルタント業界のリーディングカンパニーだ。業界随一の総合力で国内外のインフラ整備、または都市開発やエネルギー事業など、多岐にわたる事業を展開している。

日本の土台を支える建設コンサルタント業界だが、「残業が多い」というイメージを持つ人も少なくない。それに対して国峯さんは「日本の建設コンサル業界は世界に比べてDXや働き方改革が立ち遅れていると感じている」と話す。

「当社をはじめとする建設コンサルタント業界は、過重労働の撲滅、働き方改革の推進という課題を有しています。多様性の受容やワークライフバランスの確保といった働き方改革を推進するために生産性を向上させることは、業界のリーディングカンパニーである当社の使命です」(国峯さん)

■働き方を変える取り組み「オフィスシステムの効率化」

事業戦略本部デジタルイノベーション部 生産効率推進室長代理の森岡昌昭さん

企業、そして業界の働き方を刷新するべく動き出した日本工営。働き方改革にはまず「根本的な意識の改革が必要」と考え、社員に向けたeラーニングで労働生産性の世界平均などを例に日本の実情を周知し、労働生産性の向上を目指すための足並みを揃える。

「労働生産性を国際的な観点で見ると、日本は主要先進国7か国の中で最下位です。国際的に見ると一人当たりの労働時間が短い国ほど労働生産性も高いという相関関係があります。現状、日本ではどうなっているのかを全社員に示したいという意味合いを込めて、日本の実情を発信しています」(森岡さん)

さらに生産効率を向上するために働く環境にも着目。2020年に完成した新社屋ではデスクのフリーアドレスを導入した。スタンドアップミーティングができるスペースや開放的なオープンデッキを設置するなど、総合力を従来以上に発揮するべく部門を越えた連携の強化や組織を横断する動きの促進が期待されている。

社屋の12階には開放的なテラスも

また、コロナ禍において日本工営は関東圏の出社率を30%までとしているため、テレワーク環境も手厚くフォローしている。関東圏内に3箇所のサテライトオフィスを新たに設置し、昇降式デスクや視界が遮られて集中作業に最適なパネルブースの設置、会議室などを完備。効率的な働き方の実践の場として、デスクのほかに専用の什器も設置している。

「自宅でのテレワークが難しい人や気分を変えたいということでも利用できます。サテライトオフィスを利用する人同士の交流が生まれるような仕組みも取り入れています」(国峯さん)

福利厚生面では子育て世代を手厚くサポートする。日本工営では建設コンサルタント業界で初めて企業内託児所を設置。そのほかにも時短勤務を小学校卒業まで可能としたり、男性の育児休暇取得を強化したりと、子育てをしながらも働きやすい環境に整備している。

■RPAを導入して業務効率が格段にアップ

生産性向上には業務の効率化が重要となる。日本工営では、RPA(Robotic Process Automation /ロボティック・プロセス・オートメーション)を用いて定型業務の効率化を実施。以前は4時間を要した公示情報の取りまとめ作業をロボットが代行できるようになるなど、大幅な業務改善を実現した。

また、AIを用いた技術提案作業の効率化のほか、AIチャットボットが人事総務系のFAQに対応するなど、AIの活用にも積極的な姿勢で取り組む。

「生産性向上の加速に向けて、継続的なボトルネックを分析しながら具体的なツール開発を推進していきたいと考えています。将来的に社内の生産性を2倍にする目標に向けてまい進しています」(森岡さん)

■建設コンサル業界全体の働き方を変える

ときには「ブラック」とも揶揄される建設コンサルタント業界の働き方を刷新していこうという日本工営。旧態依然の根強い文化があるのではと思うところだが、「意識改革は経営層から進んでいる」と国峯さんは力強く話す。

「社内は年々意識改革が広がり、年齢や社歴に関わらず変化を感じられています。創業75周年という節目の年までに、新社屋を含め働く環境のインフラを上手く整えることができました。当社はどこよりも働きやすい会社を目指し、さらに努力を重ねていきます」(国峯さん)

建設コンサルタント業界最大手としての誇りを胸に、業界全体をイノベーションするべく先陣を切った日本工営。どこよりも働きやすく、そして時代の変化とともに新たな価値創造に向けて努力を続けていく。

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