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「アグネス論争」から四半世紀… 「子連れ出勤」の試みは成功するか?

「サイボウズ式」では子連れ出勤について詳細にレポートされている

「サイボウズ式」では子連れ出勤について詳細にレポートされている

共働きの家庭にとって、小さな子どもをどこに預けるかは悩みの種。ならば「会社に子どもを連れて行ってしまおう」と、都内IT企業が「子連れ出勤制度」の仮運用を開始した。この試みに、ネットでは好意的な意見が多い。

タレントのアグネス・チャンさんが、仕事場に子どもを連れて来たことに端を発した「アグネス論争」が起こったのは27年前のこと。このときは「子連れ」への激しい批判も少なくなかったが、約四半世紀を経て世の中は変わってきたのだろうか。

「癒やされてよかった」と同僚の評価も上々

8月14日に「子連れ出勤制度」を試行したのは、社内グループウェアのサイボウズ社。小学校1年生の男の子を持つ女性社員と、来年小学校に上がる女の子を持つ女性社員が、それぞれ「子連れ出勤」を試みた。

この様子はブログ「サイボウズ式」で紹介されている。子どもたちは母親とともに9時に「出勤」し、会社のラウンジで過ごす。持参したゲームを楽しみ、決められた時間に勉強をしたり会社のソファーで昼寝をしたりする場面も。

また社内会議にも2度同席したそうだが、基本的には静かに過ごせたようだ。女性社員のひとりは「そもそも通勤や何時間もおとなしくさせておくことが現実的なのか、周りの方がどう思うのか」を知りたいと動機を語るが、同僚の評価は上々のようだ。

「お子さんの会議参加、癒やされてよかったです!」

「連れてきたお母さんたちが、お子さんや周囲に気を使ったりで大変そうでしたが、ぜひまた連れてきてください!」

ただ、執務スペースに入室する子が出たことや、子どもが来客スペースでぐずってしまったことなどの課題も。それでも人事責任者は、「チームの生産性に配慮しながら引き続き議論していきたい」とコメントし、社内に多くの示唆を与えたようだ。

かつては「迷惑」「タバコ喫えず同情」との声もあったが…

仕事場に子どもを連れてくることで、新たな問題が生じることは容易に予想できる。それでもあえて行った試みに、ネット上では好意的な反応が目立つ。

「てっきり会社に託児所をつくったよ、的な話かと思ったら、会議に同席!!(…)パパママが仕事をしている姿がわかる、という面でもこれはアリかも」

「誰かに1時間だけ見てもらっててみたいなチーム戦が出来そうだし、結構上手くいくんじゃないかなぁ」

「まずやってみて賛否どちらの意見も吸い上げる社風はうらやましい」

中には「昔々のアグネス論争を思い出した」という声もあった。1987年にタレントのアグネス・チャンさんがテレビ番組の収録スタジオに来た際、乳児であった第1子を連れてきたことが大きな論争を呼んだことがあったのだ。

このときは批判の声も多くあがった。コラムニストの中野翠氏は、

「私は、そばにいあわせて、タバコを喫えず、『かわいい』のひとこともいわなければならないテレビ関係者の人たちに同情した」

とイヤミを書いた。作家の林真理子氏はもっと辛らつで、

「他人の子どもというものに、すべての人が愛情や好意を持ちはしないというところから『迷惑』や『社会生活』という議論はスタートするのだ」

などという言葉で批判していたという。

奇しくも内閣改造に5人の女性が入る

しかし、それから四半世紀以上経ち、第二次安倍改造内閣には5人の女性が入閣した。女性の活躍促進が政府の命題となり、保育を取り巻く環境も大きく変わりつつある。

今回のサイボウズの取り組みで焦点となったのは、働く母親の「小1の壁」問題だ。保育園には延長保育もあるが、小学校に上がると放課後の学童保育は18時で終わる。それ以降の時間を家で過ごすことに不安を覚えたり、学童保育をイヤがったり子どももいる。

これを解決するには、子連れ出勤が最も手っ取り早く、女性の働きやすさにもつながりやすい。ネットには、「専業主婦が一般化するまでは両親が働いてる横で子供を遊ばせとくってのが日本でも一番ありふれた育児だったんだよな。農家でも商店でも」というコメントもあった。職場を聖域化し、子どもを「迷惑」な存在と排除する価値観も、もう少し寛容に変えていってもいいのかもしれない。

※ウェブ媒体やテレビ番組等で記事を引用する際は恐れ入りますが「キャリコネニュース」の明記をお願いします。

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