何をするかではなく、誰と働くか。信頼する人とする本気の遊びは仕事になる
ホームケア土屋 東海で管理者、コーディネーターを務める渡邉 良平。2021年末、信頼するある人からの声で土屋への入社を決めました。音楽、野球、介護。渡邉がこれまで身を置いてきた場で出会った点と点が線に繋がった時、彼を一瞬で動かしたものとは。関係性の中で働く喜びを初めて知った渡邉の、直感と動きを追いかけていきます。【talentbookで読む】
仕事のスタートは身なりを整えること。スーツ姿で地域を飛び回る
「実は、一昨日、愛知県に引っ越しできたばかりでして」。
土屋へ入社して3ヶ月。渡邉は現在、愛知県で、ホームケア土屋 東海の管理者、コーディネーターとして奔走しています。
渡邉 「入社初日から管理者という仕事を任せていただいています。パソコン業務は得意ではないんですけれども、転職前から志していた仕事でしたので、とてもやりがいを感じています」
様々な業務を幅広く、かつ専門的に行うコーディネーター業務。アテンダントのシフト調整や、まだ知られていない重度訪問介護についての行政や病院等への営業、クライアントとの契約……。社外の人と出会う機会の多い現職では、スーツ姿を欠かさないという渡邉。
渡邉 「土屋は制服がないので、決まりではないのですが、スーツを着て仕事をするのを大事にしています。営業や対面でお話をする時、相手にいい印象を持ってもらうための身なりを心がけているので」
渡邉は、入社前に「スーツ姿で仕事をすること」を心に決めていました。
渡邉 「私は中日ドラゴンズのファンなんですけれども、2021年から新監督になった立浪和義監督が就任前からピリッとした雰囲気を漂わせていたんです。秋のキャンプが選手との初顔合わせだったのですが、その時にチームに通達したのが、茶髪と髭と長髪の禁止でした。
それは、茶髪等を禁止にすることや選手を管理することが目的なのではなく、同じ方向を向いてスタートすることが目的でした。まず、スタートする時にしっかりとした身なりをする。そのニュースを聞いて、服装を整えることはすごく大事なことなんだと思ったんです。プロ野球選手だったら、スポーツマンらしい格好というものがあって、それによって相手に与える印象は変わってくるものなんだ、と」
「野球のことを考えない日はない」というほど野球好きの渡邉にとって、スーツ姿は、人と出会う際に、自身の佇まいを確かめるユニフォームとなっているようです。
そんな渡邉がユニフォームを脱ぐのが、支援現場に入る時。
渡邉 「今は、アテンダントの皆さんからそれぞれのお宅のやり方を教わりつつ、急なお休み等で、自分がいざという時はバックアップにまわって支援に穴を開けないようにするために、実際に現場にも出向いています」
この日、渡邉は東海地域での支援現場に入る初日でした。
音楽の魅力は人と出会えること。垣根を飛び越えて人と仲良くなれる場で
「野球は、生まれて物心ついた時から当たり前にあった生活の一部」と言う渡邉が、もうひとつの軸としてきたのが音楽。
岐阜で生まれ育った彼は、中学3年生の時、同級生から「バンドをやらないか」と声をかけられ、ベースを始めます。その後も友人たちとバンド活動を続けてきました。
大学を卒業し、当時住んでいた愛知で就職先を探す時にも「音楽活動を続けられること」が渡邉にとっての一番の条件でした。
渡邉 「バンドを続けられる仕事ってなんだろう、と考えた時に、平日にライブもあるので希望休が取れる仕事を探していて。そこで見つけたのが介護の仕事でした」
渡邉が就職したのは、特別養護老人ホーム(特養)。20代半ばは、介護の仕事をしながら、音楽活動に明け暮れる生活を送ります。
渡邉 「『ベースが抜けるので、一緒にやってくれないか』と誘われたのがきっかけで、大阪のバンドのサポートをしていた時期がありました。その時は例えば……。夜勤明けで、そのまま寝ずに名古屋駅まで行って、そこから近鉄特急に乗り換えて2時間かけて大阪に行って。大阪に着いたら銭湯に行って、それからバンドメンバーと合流してライブをして、打ち上げまで出て、朝までお酒を飲んで。次の日、フラフラになりながら、始発で名古屋に戻って仕事をしていました。25か26の時です」
音楽に熱中し、濃い日々を送っていたという渡邉。
渡邉 「バンド活動では、対バンと言うんですが、ライブハウスでイベントがあるとそこからつながっていろいろな人と仲良くなれるんです。お互いの実家を行き来するようになったり、音楽を飛び越えて仲良くなれる場所がありました。今、周りにいてくれる人や友達、先輩も、ほとんど音楽関係で出会わせていただいた人ばかりなんです」
「音楽の魅力は、人と出会えること」と語る渡邉。その後、音楽と、野球という場で、土屋への入社のきっかけとなったホームケア土屋 東海オフィスマネージャー 中村 有志と出会うことになります。
信頼する人のもとで働きたい。直感で動いた入社までの3ヶ月
渡邉 「2017年ごろ、よく出演していた愛知のライブハウスの方たちと『草野球チームをつくろう』という話になりました。中村さんもバンドをやっていたのでその前から存在は知っていたのですが、皆さんが『チームに中村さんを誘っておいたよ』と話していたので、お会いするのをすごく楽しみにしていたんです。
草野球チームの初練習の日、初めてお会いした時に直感で『この人いい人だ!』『めちゃくちゃ自分、好きだ!』となって。そこからですね」
「中村さんはとにかく温かくて、熱い人」。中村の魅力をそう話す渡邉は、その後、彼も同じ介護の仕事をしていたことを知ります。音楽、野球、介護。いくつもの共通点を見つけながらも、そこは男同士の仲。
渡邉 「定期的にお酒を飲みに行ったりというような関係でもなくて。プライベートではそこまでお互い踏み込んでいない関係性がよかったのかなと思います」
それが一転したのが2021年夏のことでした。
渡邉 「昨年8月に中村さんとお会いしたんです。その時、中村さんは既に土屋で働いていて、『一緒に仕事をやらないか』というオファーをいただきました。
嬉しさのあまり、その場で転職を決意しましたね。中村さんへの返事はすぐにはしなかったんですが、次の日には勤めていた施設の長に退職するための面談のアポを取っていました」
「人見知りで、現場の仕事は向いていなかった」と当時を振り返る渡邉。特養で8年半務めている間、転職・退職を幾度と考えながらも、なかなか動き出すことができなかったと言います。
渡邉 「仕事自体は真面目にやっていた方だと思うんですけれども、正直なところ、仕事はお金を稼ぐための手段と割り切っているところがありました。今思うと、仕事を舐めていたな、甘えていたな、と思います。ただ、自分の中には『必ず信頼する人のもとで働きたい』という思いがずっとありました。
同時に、特養での仕事をしていく中で『管理者やもっと上の役職になりたい』という思いも強くあったんです。でも、前職で施設長クラスに上がれるのを待っていたら、10年はかかる。『あと10年、本当にここで働くのか?』と考えていました。2021年にいよいよ30歳になったというのもあって、結婚もしまして。中村さんから声がかかったのは、正に『転職するなら今だな』と思ったタイミングでした。救世主ですね」
信頼する人のもとで働きたい。長年の思いは、信頼する人本人からの声によって叶えられます。オファーから1週間後には中村へ転職の返事をした渡邉。同時に施設の退職が正式に決まります。
ここからチームで動き出した渡邉と中村。渡邉が前職の有給を消化している間、中村はホームケア土屋 高崎を10月に立ち上げ。11月には渡邉が愛知から高崎へ住まいを移し、翌月、入社と同時に、中村から引き継ぐ形でホームケア土屋 高崎のコーディネーターとなります。
大事なのは、誰と働くか。共に働く仲間と現実で夢を見る
そして2022年2月。渡邉は再び愛知へ戻り、現在は中村と共にホームケア土屋 東海で働く日々を過ごしています。
「心から、転職してよかったなと思う」。そう話す渡邉が、長い助走期間を通り抜け、出会ったのは、共に現実で夢を見る仲間の存在でした。
渡邉 「自分にとって大事なのは、やっぱり人なんだろうな、と思います。もちろん、『遊びと仕事は違う』ということは大前提にあるんですけれども、学生時代に気の合う仲間や友人とする遊びって内容はどんなものでも楽しかったという経験がありました。それは野球でも、鬼ごっこでもなんでもいいんです。
それに、野球をすることそのものが楽しいのではなくて、友達と一緒にいることがすごく楽しかった。その延長じゃないですけれど、気の合うと思っている人たちとする何か。今は遊びとは違っていますが、仕事という面で見た時に、それが重度訪問介護だったんだなと思っています。
もちろん、仕事はなんでもいいと言ってしまうと語弊があります。ただ私にとって、仕事の上で大事なのは、何をするかではなく、誰と働くかなんだと強く思いましたね」
「中村さんから『一緒にうどん屋さんやろうよ』と言われていてもきっとやっていたんだろうなと思います(笑)」と、照れながら話す渡邉。日々、この体をめいっぱい使って働く充実感。そんな1日の積み重ねは、渡邉の身体からありありと滲み出ているようです。
渡邉 「以前とは仕事の向き合い方がぜんっぜん違いますね(笑)。常に活き活きしていますし、妻からも『仕事に行くのがすごく楽しそう』と言われています。以前はどれだけ不安な思いをさせていたんだろう、というぐらい」
そして今、仕事という場所での尊敬する人たちとの出会いが、渡邉を突き動かしています。
渡邉 「中村さんも、彼を介して出会った関東のブロックマネージャーの方も、『困っている人を助けたい』という方向は全く同じなんですよね。その上でさらにその先を見据えている視点がある。自分はまだ目の前のところしか見られていないので、早く皆さんの仕事内容に追いついて、皆さんが次のステップに行けるようにすることが会社にとってもいいことなのかなと思います。土台作りはしっかりしながら、貪欲にガツガツやっていきたいです」
野球チームやバンド活動を通して、信頼・尊敬する人と共に何かをつくっていく喜びを育ててきた渡邉は今、そんな“本気の遊び”を仕事にしました。
「利他」を根にもつ介護の世界。それは決して他者を待つことだけではなく、まだ見ぬ夢を現実とするために、本気で、貪欲に、他者と生きること。その熱量と泥臭さの中で働くことを選んだ人たちと共に、渡邉は今、新たな道を切り開いています。
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