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残り財産は110円!小田急線で寝過ごして厳寒の小田原で一夜を明かした男性

真冬の小田原に……

寝過ごして最終電車を逃したときは絶望的だ。神奈川県の60代後半男性(エンジニア、機械・電気・電子・半導体・制御/年収1000万円)は真冬に小田急線で終電を逃したときのエピソードを明かした。(文:谷城ヤエ)

自販機の下に手を突っ込んだら10円が…「宝くじが当たったくらい嬉しかった」

「今から30数年前、忘年会の2次会も終わり相模大野から小田急本線下りで帰宅の途に。20分ほどで伊勢原下車なのですが、酔いもあり寝てしまって気付いたときは真っ暗な景色の中で停車し、慌ててホームの駅名表示を見たら小田原手前の栢山駅!」

「乗り過ごした!」と慌てて降りたものの「上り方面の時刻表を見たら既に最終を過ぎて」いたという。

「でも田舎の駅で駅周辺には何も無い(駅周辺は暗くて何も無い雰囲気)雰囲気だったので、元のホームに戻り下りを確認するとまだ最終がある。きっと小田原に行けば何とかなるだろうと、終電で小田原駅に行きました」 

「まだ携帯も無い時代だったのでとりあえず家に電話しようと財布を見たら110円のみ!とりあえず家に電話し、どうしたものかと。クレジットカードも持ってなくて、ビジネスホテルにも泊まれず、ホームで佇んでいたら駅員に改札の外に出るように注意され、定期券の乗り越し清算のお金も無く…良い駅員で良かった。とりあえずホームの外へ」

外に出たはいいものの、朝までどう過ごしたらいいかわからない。とりあえずベンチに座り、「12月の夜中で寒くて仕方なく、残り財産100円で自動販売機のホットコーヒー」を買うことに。

しかし追い討ちをかけるように「先月の値上げでホットコーヒー110円!」で買えず…。「さっき家に電話しなかったら買えたのに…」と悔やむが、まさかの出来事が起こる。 

「諦めきれず自販機の下に手を突っ込んでゴソゴソしたら10円が出てきて宝くじが当たったくらい嬉しかった!」

ただ、缶コーヒーだけでは真冬の寒さはしのげない。

「温かい缶コーヒーを両手で包むようにして暖を取りながらふと見るとコインロッカーがあり、下段には大型スーツケース用の縦長のロッカー。海老の様に後ろ向きで入れるのではと扉を開けたら、なんと先客が海老の様にうずくまっていた!確か3つくらいあった縦長ロッカーのうち、2つは先客有りで最後の1つになんとか入って始発まで寒さをしのぎました!」

同じように終電を逃したのか、それとも何か別の事情があったのか。いずれにせよ真冬の夜に家に帰れない人に大型コインロッカーが人気だったようだ。こうして一夜を明かした男性だった。

「翌朝、始発の改札時間にコインロッカーから出ると駅員は事情を察して改札を通してくれました。今ならコンプライアンス的にもNGですが、アナログの時代だったので許されたのかなと。駅員さんに感謝し始発で帰宅」

親切な駅員のおかげで無事に帰宅することができた男性。

「家内にはこっぴどく怒られましたが、温かい風呂も用意しててくれて感謝した思い出です。それからは飲んだ後は電車では座らないようにしています」

と過去を振り返った。

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