リア充とオタクは真逆の概念!? 日テレZIP!「リア充オタク」特集にネット騒然
10月9日朝の情報番組「ZIP!」(日テレ)で、「リア充オタク」が増えているという話題が放送された。この言葉は「マイルドヤンキー」の名付け親で知られる博報堂ブランドデザイン・若者研究所リーダーの原田曜平さんが最近掲げたキーワードだ。
特集は4分ほどの長さだったが、ガチオタ視聴者には納得いかない内容だった模様。「結局リア充オタってにわかの事だろ」「元々オタクはリア充じゃないみたいな言い方やめろ」など、早朝から批判のツイートが相次いだ。
ガチオタ勢から「モドキ」「ヌルオタ」の批判も
原田さんは「昔のオタクのイメージ」を「メガネ、リュック、チェックシャツ、ひとつのコアなジャンルに詳しい」などを挙げ、いかにも野暮ったい男性のイラストを交えて紹介。しかし最近は変化が表れているとする。
VTRには、ディズニーシーでリア充写真を撮る爽やかな大学生(21歳)が登場。自宅でコアなアニメのグッズを揃え、自作イラストを描いていることを紹介した。ある大学院生(23歳)はブランド物の時計を持ち、バスケをやっているが、アイドルのDoll☆Elementsが好きで声援の掛け合いも覚えている。直筆サインTシャツが一番の宝物だそうだ。
原田さんは「リア充」と「オタク」は真逆の概念だが、これを両立させる「ハイブリット型のオタク」が増えているとして「リア充オタク」とネーミング。ネットの普及でオタク情報が簡単に手に入ることを挙げたうえ、
「リア充の子がオタクになることでギャップが生まれ、人間としての幅の広さをアピールできる」
と増加の理由を説明した。これにはガチオタ勢から「幅の広さをアピールってあたり、モドキだよな」「ただのファッションオタクじゃん」「それはオタクじゃねぇ、ヌルオタっつうんだ」などと厳しい批判が噴出した。
年間消費額の低さに「ただのリア充」と呆れる人も
また原田さんは、リア充オタク増加の根拠として「オタク市場規模がすごく伸びている」と解説した。実はオタク1人あたりの年間消費額はここのところ減っており、2004年の約10万円から2013年には2万5000円(アニメ分野)と4分の1にまで落ち込んでいる。
一方でアニメDVDなどの販売額は、2007年の約3597億円から2013年の約1兆5億円へと約3倍に伸張。1人あたりの金額は減っているが、市場規模は拡大していることから、
「昔ながらのオタクジャンルだけを消費するオタクが減っていて、ファッションなど他ジャンルに消費するリア充オタクが増えている」
と原田さんは分析した。しかし年間消費が「2万5000円」に落ち込んだと指摘されたオタクたちからは、金額の少なさに驚く声が多数寄せられた。
「これ月額じゃなくて年間かよ。確実にオタクでは無いただのリア充」
「年間で2万5000円しか使わずに済むとか逆に何買ってるのか興味ある」
「本物はね…一回の買い物で10万はポンと出すやつのことを言う!」
オタク概念の希薄化、混乱が見られる
金額が少ないのは、経済状況の悪化で「2004年と比べて使える額が少なくなったからでは」とオタクの熱意とは無関係という意見もあった。いずれにしろオタクとはそもそも、自分の興味がある分野に傾倒しすぎる人のことで、その対象はアニメなどのサブカルに限ったものではなかったはずだ。
オーディオオタクや車オタクは以前から裕福でリア充であり、オタクとリア充は真逆の概念ではない。本来のオタクの意味の希薄化や混乱が見られるが、結局は「サブカル市場」が薄く広くなったということで、それをすべて「オタク」で括られると矛盾を感じる人もいたということだろう。(ライター:okei)
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