しっかりしてよ、先生! 「間違ったIT教育」を受けた子どもたちが怖い

筆者は「学校」というものにトラウマがあります。端的に言えばいじめられっこで、先生にまで「いじめられる側に問題がある」という教育を受けたからなのですが、オタクの自覚があっても学園ものアニメは見ない程度には、未だにトラウマだったりします。

そんな今、仕事で学校に行くことがたまにあります。「生徒」という立場じゃなくなった現在は、インターネット関係について「先生から質問をもらう」という場面に遭遇するのですが、そのたびに頭が痛くなる出来事が発生するのはなぜなのでしょうか。

保護者を含め「何が問題なのか」正確に理解してない

(イラスト:光明隠歌)

(イラスト:光明隠歌)

パソコン室のネットワークがおかしいという理由でA高校に出張した時のこと。調査の結果ルータが壊れてるということが判り、交換作業をしていると、「ねえ、ちょっと質問があるんだけど」。この学校のIT教育担当なるM先生が、私に声をかけました。

「いや、実はね。最近うちのヤンチャな生徒が、部活動の試合とかをネットにアップしててね」

今はスマホで動画を撮影して、そのままニコニコ動画やYouTubeなどにアップできる時代。ニコニコ生放送として、試合を実況中継することもできてしまいます。そういう高校生をそこそこ知っている私ですが、その後の先生の言葉に、思わず作業の手が止まりました。

「ほら、ネットに投稿とかって、著作権とか色々うるさいだろ? 保護者からもクレームが来ててさ。うちのバカ生徒たちに、『違法で捕まって進路を棒に振るぞ!』みたいな話とかできない?」

……部活動の試合をネットにアップすることの問題は著作権ではなく、どっちかというと肖像権とかプライバシー権じゃないかなあ。部活動の試合をネットに投稿するだけで、違法となる法律なんかあったっけ。

これが例えば着替えの盗撮とかだったら、まだ何かあるだろうけど、普通に野球部やサッカー部の試合風景だし。とりあえず生徒をバカ呼ばわりする割に、先生も保護者も「何が問題なのか」正確に理解してないよな、という気がしてなりません。

男の子たちを「更生」させた方法は

百歩譲って「ネットアップロード禁止という話」をするとしても、私の仕事は機械を直すだけなので、そういう依頼は会社を通してもらわないと困るのです。また、学校によってはICTサポーターなどという名前でインターネット教育を専門に行う非常勤講師がいたりしますので、なおさらその方を出し抜いて授業とかやったら怒られてしまいます。

ただ、この高校には外部講師などはおらず、ネットワーク関係の授業はその先生が主任を務めているとのこと。主任クラスでそのIT知識となると、いろいろと不安がよぎって「間違ったことを教える教師」に苦しめられたトラウマが蘇ります。

なお、ネットにアップしているのは男子生徒数人だそうで、クレームを入れる保護者はアップしている生徒の親たち。「どんな教育をしているんだ!」というクレームに困っているそうですが、それって親の躾の範囲じゃないかなあ……と個人的には思ったものです。少し考えて、私はこう答えました。

「女の子に嫌われてモテなくなるよ、と教えたらどうでしょう?」

そういう問題じゃないのは自覚しておりましたが、さすがに今回の案件では著作権も関係なければ、プライバシー権にひっかかりそうもありません。というか、IT教育担当ならばもう少しちゃんと勉強して下さい、本気で。こういう教育を受けたまま、社会にでる子どもたちが怖いです……。

ちなみに、そんな話を忘れかけていた数カ月後、学校からお礼メールが届きました。何でも「うちの生徒が更生しました!」という内容だったらしく、親会社から「業務範囲外のこと、してませんか?」と尋ねられたのでした、はい。

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