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「恋愛予備校」が自信喪失した若者に人気 20講座49万円!それで本当に恋人出来るの?

ちょっと前、11月6日の「ZIP!」(日本テレビ系)で気になる特集を組んでいた。「アレナニ? 恋愛の学校とは?」と題されたもので、博報堂ブランドデザイン「若者研究所」リーダーの原田曜平氏が解説員として出演していた。恋愛コラムも書いている僕からすると、知らないままでいるのはマズい。一応チェックしてみた。(文:松本ミゾレ)

恋愛を継続させる心構えを講師がレクチャー

恋愛に自信が持てない

恋愛に自信が持てない

番組によると、若者を中心に恋愛に自信がないという人が増えているという。2014年にリクルートブライダルが調査した、「20代男女の恋人の有無」では、20代男性の76.3%が「恋人がいない」と回答。20代女性でも半数以上の60.0%が同じく、「恋人がいないと」と答えたという。

こうした状況に陥った若者を救済すべく登場したのが、恋愛予備校だ。恋愛予備校とは、原田氏の説明によると「恋愛偏差値を上げる予備校」だという。

取材班が訪れたのは、東京ラバーズアカデミーという恋愛予備校。男女大勢の参加者が熱心に講義に耳を傾けていた。

講師はまず、恋に落ちるプロセスを「気になる」→「知りたい」→「近づく」というワードで説明。そして恋愛が成就するわけだが、講義ではそこから関係を継続させる心構えを説く。

カップルになってからも互いに「気になる」や「知りたい」という希求を怠ってはいけないといい、これは全くそのとおりだと思う。やっぱり交際相手のことについては、常に新鮮に、新しい情報を得たいと思えないと、関係性は滞り、ダメになるばかりだから。

講座を受けても恋人ができるとは限らないけど……

東京ラバーズアカデミーでは、このほかにも「異性をドキッとさせるきゅんテク養成講座」、「女心徹底解説!メールテクニック講座」、「オシャレな自分になる!私服コーディネート講座」などを学ぶことができるという。異性との付き合い方に疎く、せっかく素材が良いのにくすぶってるような人にとっては、助け舟になりそうではある。

ただ……気になる受講料なんだけど、およそ20講座で49万円。率直に言えば、これは高すぎる。金曜ZIP!メンバーの鈴木杏樹も、これには「え~!」と目を丸くしていた。無理もない。彼女ぐらいのルックスの女性なら、恋愛予備校に1円もかけずに引く手数多だろうし。

それにしても、恋愛予備校に通うだけで、こうもお金がかかるというのは残酷だなぁ。そもそも恋愛講座を受けたからって恋人が必ずできるわけじゃない。これは残酷な言い方になるけど、人は見た目が8割9割の生き物。この見た目って、服装とかじゃなくて顔の作りとか体型が判断基準だから、どうしても恋愛のチャンスがある人とそうでない人の差はある。

まあ、恋愛が出来ない人のための講座なんだから、当然その点上手くカバーしてくれるんだろう。受講者は数十万円も払ってるんだし。

「若者が恋愛しない理由」って、さすがにそれはないでしょ

さて、そもそもどうして今の若者は恋愛に奥手になりがちとされているのだろう。原田氏いわく、こうした恋愛予備校が流行る理由は、昔よりも「若者が恋愛に自信が持てない社会」になっているからだという。

ただ、その理由が僕にはなんとも判然としかねる。最近、若者の間では自身のオシャレな画像をインスタグラムなどのSNSにアップすることが流行っているが、それを見た異性が相手のキラキラぶりに萎縮し、自信を失くしている、というのである。つまり、意中の女の子が高級レストランで自分よりかっこいい人と一緒に写っている画像なんかを見ると、高嶺の花のように感じる、ということのようだ。

そのため、恋愛予備校に通って自信とスキルを身につけたいと考える人が増えているのだという。これでこの特集は終了。なんというか……これじゃあまるで、若者が日々SNSによって動静を制御されていると言われてるみたいじゃないか。

僕なんかは素朴に「え? なんで朝っぱらから若者がこんなボロクソに貶されてんの?」と感じずにはいられなかった。若者の中には、恋愛しない自由を選択する者もいるだろうに。

そもそも、マニュアル通りの恋愛なんて面白くない

大体、恋愛偏差値を上げるというテーマも、なんで恋愛に偏差値を導入しようとしたのかさっぱり分からない。恋愛なんてものはマニュアルに沿ってやってみても全く面白くない。というか、正解でも不正解でも、大半はどうせ破局するのだ。

その繰り返しでお互いに尊重しあえる相手、今までとは何かが違うと思える相手とめぐり合うのが楽しいのであって、一々「こういうときはこうすべき」と指針を用意されちゃうと、恋愛に個性もなくなる。ただでさえ恋愛人口が減っているのに、残る一部の恋愛経験者が皆一様に同じような恋愛をしているなんて、ディストピアしか待ち受けていない。

いや、恋愛についての投資はもちろんすべきだ。服装やプレゼント、レストラン。投資すべき要素は幾らでもある。でも恋愛予備校に49万円というのは、僕はもったいないと思うし、その49万円でパーッと飲み歩いたほうが面白い思い出になるんじゃないかな。

まだ恋人すらいないのに机の上にかじりついて、専門家の話をメモしたところで、あんまり意味はないと僕は思う。

あわせてよみたい:若者世代が「面倒」「コスパが悪い」と恋愛を完全否定

 

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