会社員なら上司から言い付けられた仕事は、よほどの理由がない限り断れないものだ。東京都の40代男性(技術コンサルタント/年収1600万円)は、某化学メーカーに研究員として勤めていたときのこと。本社の本部企画部長から、こんな仕事の依頼があった。
「『火曜日に株主説明があるから月曜までに説明資料を作ってくれ』と金曜の夜ご依頼頂戴しました」
これでは土日に働けと言われたのと同じだ。「一円にもならない社内説明資料作成」と、男性が皮肉たっぷりになるのも無理もない。(文:天音琴葉)
「資料は役に立ちましたか?」と聞いてみるも……
だがどんなに理不尽だろうと、上の立場の人からの指示には逆らえないのがサラリーマンの悲しき性だ。結局、男性は土日に徹夜で仕上げたそう。株主向けに最新データと研究成果を付け、さらにイラストなども入れ、「中学生でもわかるようにしてあげましたよ」と皮肉が止まらない。
こうして指示通り、月曜日の朝に資料を送信したが、本部企画部長からは質問も何の返信もなかったようだ。
「火曜午後になって『資料は役に立ちましたか?』と聞いてみました。『あ、使わなかったよ』。はい、予備資料でしたね」
そもそも株主への説明は1か月以上前からわかっていたことだった。急遽頼まれた理由について男性は、畑の違う部署からやってきた本部企画部長は株主説明に自信なく、「金曜夜に急に不安になった」と推測。「株主説明する立場の人間は、それが出来る人間をおくものだと私は思いますが」と、会社の人事に対しても苦言を呈した。
結局、男性はこの会社を辞めたという。
「無駄な社内説明資料が仕事の8割以上を占める会社でした。その後私はその会社を見捨てて転職しております」
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