ユーザー12万人だけど10年間放置状態! 老舗アンケートサイトのリニューアルに挑む
こんにちは!平成広報女子会です。昨年夏から続いていたこの連載ですが、今回は番外編として、同会に所属する、マーケティングアプリケーションズ(MApps)の重光が自社の最近の取り組みについてご紹介します。
IT業界と言えば、激しい競争を生き抜くために常に最先端の技術を追及している、というイメージがあります。でも、全ての会社が全てのサービスに対して、持てる技術をフルに活用しているというわけではないんです。
MAppsでも実は、10年前に作ったサイトが技術的にアップデートされることもなく放置状態ということがありました。
リニューアルで若年層を開拓!自立型のビジネスモデルを目指す
アンケートコミュニティサイト「アンとケイト」は2005年にオープンしました。企業から送られてくるアンケートに答えるとポイントがゲットできるというサイトです。ユーザーの回答データは企業に送られ、商品開発の際の参考データなどで活用されています。
現在も約12万人のユーザーを抱える業界では老舗のサービスなのですが、今まで色々な要因があってサイトの見直しは後回しにされてきました。そこで、今年10周年を迎えることもあり、本格的なリニューアルに乗り出しました。
今回、リニューアルを担当するサービス企画グループの担当者はこう語ります。
「MAppsは、『アンとケイト』だけではなく他サイトと提携することで、トータルの会員数自体は比較的高い水準をキープできていました。ですが、それが他社の状況に依存することになってしまい、他社サイトの撤退や会員数の減少に影響を受けることもありました」
また、マーケティングリサーチ業界では、アンケートに回答してくれる若年層の会員の不足が課題になっています。MAppsは、他社と比較すると若年層の会員が多いのですが、競争力強化のために、さらなる会員獲得が必要だと考え今回のリニューアルに踏み切りました。
アナリティクスも急いで実装、意識調査でユーザビリティを改善させていく
10年前のサイトをリニューアルするともあって、やらなければいけないことが山積みです。外側は一応ちゃんとしていますけど、中は技術的負債が凄いことになっています。最近のウェブサイトでは当然のように行われているユーザーの数値計測さえも、「アンとケイト」では導入されていませんでした。
現在は、計測用にグーグルアナリティクスを導入するとともに、ログデータを活用した会員動向の計測やスマートフォン向けサイトの改良などを並行して進めています。
特に注力しているのは、スマホへの最適化です。今や10~20代を対象にウェブサービスを展開しようと思ったら、スマホアプリ化することが欠かせません。アプリにすることで、ウェブでの会員登録が面倒という、今どきのユーザーへのリーチがしやすくなると考えています。
また、アナリティクスではユーザーの行動はわかりますが、その行動を起こした意識まではわかりません。そこで、ユーザーアンケートを行って意識データを見ることで、効率的にユーザビリティを高めていきます。
アンケート結果を活用したオウンドメディアの運営も計画しています。魅力的なコンテンツを用意することで、アンケートに回答してお金がもらえるだけでなく、「見たい」「使いたい」と思ってもらえるサイトへと進化させていきます。担当者は次のように語っていました。
「サイトは長期間放置してしまうと、課題が山積みになってしまいます。まさか10年も放置するサイトはないと思いますが、もしあるなら一刻も早い手入れをおすすめします! 今回のプロジェクトで目に見えるところも見えないところも大幅にリニューアルする『アンとケイト』ですが、今後は愛情を持って育てていければと思っています」