政府、「非正規の給与を正社員の8割に引上げ」を検討 「同一労働同一賃金じゃないじゃん!」とツッコミ相次ぐ
「未来チャレンジ内閣」と称し、重要課題として「働き方改革」に取り組む姿勢を見せている第3次安倍第2次改造内閣。
7月の参院選での選挙公約で、「同一労働同一賃金の実現により、非正規労働者の処遇を改善し、正規・非正規の格差を是正します」と掲げていたため、期待を抱いていた人も多いだろう。だが、どうやら実現はまだまだ遠そうだ。
「自民の辞書では同一賃金は8割なの?w」「いや、だから同一にしろよ」
8月18日の時事通信の報道によれば、政府は同一労働同一賃金の実現に向けて非正規労働者の賃金を正社員の8割程度に引き上げる方向で検討作業に入るという。9月に「働き方改革実現会議」を発足させる予定で、来年3月までに行動計画を取りまとめ、関連法案を国会に提出する段取りだという。
ただ、引上げるといっても8割では残念ながら同一とはいえない。そのため、ネットでは、「は? いや、だから同一にしろよ」と非難が続出した。
「同一労働同一賃金って言ってなかった? 何で骨抜きになってんだよw」
「自民の辞書では同一賃金は8割なの?w」
「おいおい同一労働同一賃金じゃないのかよ」
人事コンサルタントの城繁幸氏もツイッターで「これ同一労働同一賃金とはぜんぜん別もんだと思うんですが」とツッコミを入れ、
「同じ職場の正社員の8割ってことならそもそも同一賃金じゃないし、つか正社員つっても年齢性別でピンキリなのに誰に合わせるんだ。こりゃ現場大混乱だな(苦笑)」
と投稿している。他にもネットでは、8割に引き上げるといっても、非正規の賃金を上げるのでなく、「正社員の賃金を非正規の20パーセント増くらいまで引き下げる」ことを意味するのではないかと危惧する声も出ていた。
「非正規は切りやすい分、正規より高くするべき」という声も
厚生労働省の2015年の「賃金構造基本統計調査」によれば、正社員・正職員の平均月給は32万1100円、正社員・正職員以外は20万5100円となっている。この額はフルタイムでの給与を比べたもので、正社員・正職員の賃金に残業代や休日出勤の手当は含まれていない。
同調査によれば、現状、すべての職の平均を見ると、正規雇用の月給を100とすると非正規は63になる。8割に引き上げられることで少しは格差が縮小するのは確かだろう。
しかし雇用の流動性が低い日本では、正社員が手厚く守られているのに対し、非正規労働者は企業の都合の良いように使われてしまっているのが現状だ。そのため、
「正社員の8割とかじゃなく、雇用が安定していないのだから正社員と同程度かより高給にするべきでは?」
「雇用の調整弁でいつでも首が切られるのだからその分賃金を高く設定するべき」
「非正規は切りやすい分、正規より高くするのが普通だろ」
と同一賃金同一労働よりもさらに高めの賃金を払うのが妥当という意見も多く出ていた。
あわせてよみたい:【悲報】日本の労働生産性低すぎ