【演劇】×【レストラン】のライブ感溢れる新感覚エンターテイメント 「劇メシ」に行ってみた
オシャレなレストランで食事をしながら、プロの役者の演技を目の前で鑑賞できる、「劇メシ」が人気を博している。7~9月の3か月連続公演で、第一弾、第二弾と好評を得てファンを増やしてきた。
演劇とレストランを融合した新しいエンターテイメントとは一体どんなものか。
演劇をもっと身近にするためにレストランに持ってく
プロジェクトは、「演劇をもっと身近に、より楽しんでもらいたい」という思いから今年7月にスタートした。メンバーは映画プロデューサーやプロダクションなど各業界から集まる。レストランの空間がそのまま舞台になり、観客は食事をしながら楽しむことができる。演目時間は30分~60分と短めなのも特徴だ。
劇メシをプロデュースするのは、運営団体「ラブレボリューションNO.3」の小宮誠さん、佐川秀人さん、アベマサヒトさんの3人だ。今回の第3弾公演のメインプロデューサーを務める小宮さんはこう語る。
「演劇を見ない人にとって、劇場に足を運ぶということはハードルが高いと感じました。でも、もっと演劇の魅力をしってもらうために、みなさんが普段行くレストランに演劇を持っていく、というのがプロジェクトの趣旨です」
会場は、渋谷駅から5分の場所にあるダイニングバー、「神南軒」。オシャレなレストランだ。
テーブルにはキャンドルの優しい明かりが灯り、落ち着いた雰囲気を醸し出している。店内には大掛かりなセットは見当たらず、ここで演劇が始まるとは思えない。
チケット代は6760円(税込)。公演チケットに、ドリンク1品とビュッフェ形式の食事がついている。フィッシュアンドチップスなどの軽食がテーブルに並ぶ。
開場は19時。席に案内され、観客は皿を片手に好きな料理を取り、席でドリンクを飲む。客層は20~30代の人が多かった。
食事はビュッフェ以外にも、神南軒の特製ハヤシライスや焼き雲丹のグラタンなどが注文できる(別料金)。記者は神南軒と劇メシのコラボメニュー「プリン・ア・ラ・モード」を注文してみた。
シンプルなプリン(人生)に、様々なトッピング(出来事)が重なる様子をイメージしたメニューだ。
客席と舞台が一体化 360度の演技が楽しめる
20時になり、演劇がスタートした。BGMとともに8人の役者が一列に並んで挨拶する。
役者は挨拶を終えると、観客と同じように着席しだした。なんと記者の真横のテーブルに役者が座り、突然演技が始まった。この時点で臨場感はかなり高い。
第3弾のタイトルは「CHOOSE DAY」。副題は「今歩んでいるその人生に後悔はありませんか?」とあり、男女8人の人生における選択が1時間にわたって描かれる。
男女の結婚をきっかけに、2人を取り巻く男女8人それぞれが、結婚、家族、夢、趣味など人生における様々な選択の場面に直面する、という現代劇だ。
舞台は客席。役者は客席のフロアを動き回って演技を行う。男女が激しく言い争うシーンがあったが、その迫真の演技が記者の真横で行われていたため、劇のストーリーの世界に飲み込まれていくような感覚を覚えた。
さっきまで真横で演技をしていたかと思えば、別のテーブルで別の役者が演技を始める。シーンがどんどんと切り替わっていき、「次はどういう展開になるのか!」とハラハラする。記者はライブ感とそのストーリーに感動し、心を強く揺さぶられた。
今回の舞台は17日まで、第4弾公演は11月に予定
今回の「CHOOSE DAY」の公演は、9月17日まで。今後は11月20~26日に、劇作家のえのもとぐりむさんとコラボした第4弾「なんでもないトマトなのに」の公演を予定しているという。
運営のラブレボリューションNO.3は、「今後は、他部門とのコラボをしていきたいと思っています」と、劇メシを広げていきたい考えを示した。第4弾のチケットの予約は、公式ホームページから、10月中旬販売予定だ。
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