「あなたの性格が悪いから子どももわがままになる」と暴言――保育士の8割が「職場に”クラッシャー上司”がいる」と回答
部下や後輩がミスをすると必要以上に責め立て、ひどい場合は退職まで追い込む「クラッシャー上司」。保育士や幼稚園教諭の人材紹介サービスを運営するウェルクスは6月30日、職場における「クラッシャー上司」についてのアンケート調査結果を発表した。
調査は6月16~25日、保育士を中心とした「保育のお仕事」の読者104人を対象にインターネットで実施した。
「園の8割の人があなたのことを嫌っている」と追い込む
職場に”クラッシャー上司”に当たる上司や先輩が「いる」と答えた人は、83%にのぼる。
クラッシャー上司の普段の行動について聞くと「自身がパワハラを行っていることに気づいていない」が最も多く、90%。以降、「その日の気分次第で指示や言うことが変わる」(78%)、「気に入らないことがあると怒鳴ったり不機嫌な態度を取ったりする」(74%)、「好きか嫌いかで人を判断する」(72%)と続く。
保育士が職場でクラッシャー上司から受けたハラスメントの具体例を聞くと、
「『あなたは独りっ子だからわがままだ。あなたの性格が悪いから子どももそう育つ』と言われました」(35~39歳・保育士女性)
「自分が嫌いな職員に『園の8割の人があなたのことを嫌っている』と言って、退職に追い込んだ人がいます」(25~29歳・保育士女性)
と仕事と関係ない点を批判されたり、あることないことを言われたりと、クラッシャー上司の人格を疑いたくなる言動が寄せられた。
改善のためには「クラッシャー上司を容認する古い体制を崩す」
実際にクラッシャー上司の圧力や暴言で「心身に不調をきたしたり、退職したりしてしまった人がいる」と回答した人は92%。回答者自身が被害にあったという人も76%にのぼる。実際に不調をきたした経験がある人は、
「会議で晒し者のように非難されてしまい…仕事への意欲が沸かなくなりました」(25~29歳・保育関連職女性)
「無視や、職員全員の前での非難を受けて、鬱病になってしまいました」(35~39歳・保育士女性)
と説明している。また「無視や3時間に渡る説教がありました。体調が悪くなると『同情されたいの?』」と追い打ちをかけられたという人もいた。
このような事態を避けるためどのような対処法を実践しているのだろうか。最も多かったのは「できるだけ関わらないように避ける」(53%)。次いで「家族など職場外の親しい人に相談する」(49%)、「職場の同僚などに相談する」(47%)と人に相談することがランクインしたが、「休職や転職を検討する」(45%)という人もいた。
一方、「あえて委縮しないように心がける」(20%)、「理不尽なことには異を唱えるようにする」(19%)など対抗姿勢を示す方法は少数派だった。
職場にどのような体制があればクラッシャー上司がいる職場環境を変えられるかと聞くと「クラッシャー上司を容認する古い体制を崩す」(57%)が最多となった。他にも「適切な相談機関を設ける」(52%)や「ハラスメントに対する罰則を設ける・強化する」(42%)などが挙げられている。