世代論議に白熱するビジネスマン、ロスジェネ女子の価値観は変貌 「世代間格差」の実態まとめ
昭和の高度成長期を謳歌した「団塊」「バブル」「団塊ジュニア」VS「ゆとり」を比較した世代論義は、職場や飲み会の席で白熱することも多いようだ。
バブル急成長期の1986年代、当時の新入社員の行動心理は中高年世代に理解不能で、彼らは新入社員らを「新人類」と呼んでいた。その「新人類」も30年後の現在は中高年となり、子どもたちは「新人類ジュニア」と呼ばれ注目される時代となった。
自分が若かりし頃の上司の気持ちが理解できる年代になり、「ゆとり世代」とのギャップを痛感していることだろう。いつの世も「最近の若者は……」という言説は尽きないもの。今回は、さまざまなシチュエーションで生まれる世代間格差についてまとめた。
60歳以上高齢者世帯VS 現役世帯、平均貯蓄額の世代間格差に驚愕!
生まれる時代が異なれば、当然ながら経済、社会情勢も変わる。その時代の人達を取り巻く環境にさまざまな格差が生じることが、広い意味での世代間格差と定義できるのではないだろうか。総務省が2016年度に発表した家計調査報告によると、二人以上世帯における1世帯当たりの平均貯蓄額は1820万円で、4年連続で右上がりの増加だったという。
この調査報告がネットで注目されると、「いや、これ一桁多いだろう!」と話題に。実は、調査資料の詳細を見ると、60歳以上の高齢者世帯では4000万円以上(18.6%)を占める層が最多であると分かった。
一方、勤労者世帯(60歳未満)に限定すると、貯蓄平均額は前年度より0.8%減少している上、貯蓄が「100万円未満」の世帯が12.8%を占める。高齢者層が平均値を上げている実態が判明している。【→詳しく見る】
「見栄を張ること自体カッコ悪い!」現代女子の実態と価値観
女子会での話のネタに、世代間格差が上がることはないだろうか?
以前、ガールズちゃんねるで「若い女子はなぜお金を使わなくなったのか?」というスレッドが立てられコメントが殺到していた。書き込みをした彼女たちに共通するのは、圧倒的多数で「お金がない!」という実態だ。特に超就職氷河期世代のアラサー女子の主張はかなりシビアである。高度経済成長期の女子社員は、就職先も引く手数多で結婚するまでの腰掛けOL(いわゆる事務職)が多かった。
一方、ロスジェネ世代の女子は、いつリストラされるか分からない不安に日々怯えながら、ブランド品とは無縁で身の丈にあった生活をしているという。
スマホが普及した現代では、情報はネットで何でも入手できる。フリマアプリで欲しいモノを安価に入手し、暇つぶしには無料ゲームアプリが盛りだくさん。「いかにお金を使わずに生活できるか」を日々模索し、節約上手な女子が同性から崇められる存在だという。
見栄を張ること自体カッコ悪い、という価値観に世代間ギャップを感じる人もいるだろう。中には奨学金で大学を卒業し、「借金しているのに浪費できないよ!」という女子のコメントもあった。【→詳しく見る】
昭和の死語を女子が使うのは痛すぎる
筆者もかつては新人類扱いされてきた昭和世代のため、昭和の死語は次々と頭に浮かぶ。OL・花金・アフター5・トレンディドラマ・チョベリバなどなど。20代の頃、年上の先輩に妙に気を使ったが、おそらくジェネレーションギャップを感じていたからに違いない。
「これだから50年代生まれは……」など、同じ昭和生まれの中でも世代間格差は生まれていたのだろう。現代なら職場内のモラハラだとSNSに投稿され炎上するかもしれない。
以前「マツコ&有吉の怒り心頭」(テレビ朝日系)で、あるアラフォー女子の職場内での悩みが紹介された。社内で軽く冗談を飛ばした後、「な~んちゃって」という平成生まれには理解不能な死語とジェスチャーでおどけてみせたつもりが、後から後輩たちに「昭和だよねー」と陰口を叩かれていたとか。
かつて上司が使うオヤジギャグ(これも死語?)に陰で笑っていた若かりし自分と被り、当時の上司の気持ちを痛感しているというシビアな悩みに、MCの有吉弘行氏は、古いネタも大いに活用し若者世代に認知させるべき、と持論を展開。
ちなみに、1981年に世間を賑わせた「ロス疑惑事件」を知っている番組観覧客は、50人中たった1人だったようだ。【→詳しく見る】
年功序列や終身雇用を知らない世代、保守的で堅実な若者の未来は?
時代背景や様々なシチュエーションで世代間格差が生まれることに注目したい。ここ数十年で経済成長は著しく変動したため、世代によって公的年金をはじめとした受益と負担のバランスは異なる。
生まれた年代に加え、地域によっても格差は生じ、それぞれの価値観も違う。そもそも給付される年金額に、現受給者と現役世代では大きな差がある、という若者のシビアな声もあった。「出世も昇給もボーナスも望まない」「消費するなら少しでもお金を残したい……」こんなにも保守的で、ある意味堅実ともいえる現代の若者。未来はいったいどうなる?
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