安倍政権への評価、勝間和代「ほぼ満点」「1万円が2万3000円になって何の文句があるんですか」
12月26日で丸5年を迎えた第2次安倍政権。経済評論家の勝間和代さんによると、「安倍政権は経済評論家から見たらほぼ満点」だという。12月26日放送の「バラいろダンディ」(TOKYO MX)で、安倍政権の評価について意見を求められた際に語った言葉だ。(文:okei)
番組は朝日新聞の記事を取り上げ、「内閣支持率は59%から41%に下落したものの、日経平均株価は政権発足時の2倍以上(1万230円から2万2939円)に上昇」などと紹介。勝間さんはこれを踏まえて
「1万円が2万3000円になって何の文句があるんですかって話ですよ」
「1万円を7000円にした政権と、1万円を2万3000円にした政権とどちらを評価しますか」
など、投資家の立場から株価を押し上げたことを高く評価していた。
一方で、賃金が全然上がらないのは問題とも指摘
さらに、「株価は企業の成績簿なんですよ」として、「安倍政権にものを任せていれば、将来の企業業績がよくなるに違いないと世界中の人が平均的に思うと、あの株価になるわけです」と解説。つまり、企業は業績が上がることが間違いないというわけだ。
ただ、勝間さんは「問題は、賃金が全然上がらない」とも指摘する。
「なぜ賃金が上がらないということに関しては、安倍政権は解決していないんですよ。(中略)その部分を解決したら120点になるわけです」
コメンテーターの大竹まことさんが「株を買っているのは日本の12%」「企業はカネ貯めてるからね」などと突っ込んだように、株で儲けている日本人は多くない。実際に賃金が上がった実感は労働者全体に広がってはおらず、いまだ生活が苦しいと訴える人は多い。
「企業がAIや海外に投資しているから、日本人に全く返ってこない」
さらに、今後の賃上げについては「上がる人は上がります。上がらない人は上がらないです」と断言。多くの職種がなくなってもなんらかの仕事はあるが、賃金は上がらず「上のほうの人だけがより良い社会になってしまう」と、ますます格差が広がっていくと予見している。
勝間さんは「賃金が上がる人ってどういう人?」と聞かれると、「AIに勝てる人」と即答し、こう語りだした。「コンピューターができる仕事をやる人は皆いなくなって、コンピューターができない肉体労働的な仕事しか残らない」「でもそういう仕事は時給が1000円、上がっても2000円か3000円止まりなので、生活が苦しくなってしまう」とした上で、
「そこに対する『解』は、安倍政権は何にも出してないです。それは間違いないです」
と苦言を呈した。
さらに、賃金が上がらない理由を「企業はお金を貯めてAIなどの機械や、外国に投資している」と説明し、「日本人に全く返ってこないのが問題なんですよ」と問題点の指摘を重ねている。
これらは初めて聞くことではなく常々問題視されてきたことだ。勝間さんらしく核心をついた言葉でズバズバ繰り出され、改めて厳しい現実を突きつけられた思いがする。多くの労働者にとっては「安倍政権が満点」どころの話ではないことがよく分かった。