親への服従は絶対――『よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話』は、かつて「良い子」を演じたことのある全ての人に刺さる一冊

幼少期に褒められる子どもというのは大抵、大人の言うことを素直に聞き、従うことのできる子だ。そうした子どもが「良い子」と呼ばれ、そうでない子どもは「悪い子」と呼ばれることに、違和感を覚える人はあまりいない。

ただしそれは、その大人の言うことに妥当性があるのが前提の話だ。

漫画『よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話』(いしいさや 講談社)は、とある宗教を堅く信じる母親の元で育った作者かつ主人公のさやが、信仰を強要された幼少期から、脱会するまでの体験をまとめた漫画だ。2月にツイッターで8ページ分が公開されると、2日間で3万リツイートもの反響を呼んだ。6月からは『ヤングマガジンサード』(講談社)で連載されている。

同じ宗教以外の子と遊ぶと悪い影響を受けるから避けるべき、誕生日を祝ってはいけないといった、多くの人にとって馴染みの薄い価値観での生活が淡々と描かれている。

「この子のため」で、鞭打ちの体罰が正当化される世界