気兼ねなく発言できる職場の方がパフォーマンスが高いことが判明 「モチベーションの向上」といった利点
リクルートマネジメントソリューションズは1月12日、「心理的安全性に関する実態調査」の結果を発表した。「心理的安全性」とは、職場で自分の考えや感情を安心して気兼ねなく発言できることを指す。調査は、従業員100人以上の企業で、3人以上のメンバーがいる部・課・チームを率いる立場にある人を対象に行った。
「チームの『心理的安全性』という言葉を知っていますか」という質問に対して、「内容の詳細までよく知っている」と答えた人は6.0%、「だいたいの意味を知っている」と答えた人は19.6%で、併せて25.6%に留まった。
「聞いたことがない・知らない」という人も46.5%に上り、マネジメントをする立場の人でも半数近くがまだこの言葉を知らないようだ。
「多様な意見や活発な議論によって新しいものを生み出す」といった利点がある
「心理的安全性」の意味を説明したうえで、チームの運営に必要だと思うかどうか聞いたところ、「必要である」と「やや必要である」が併せて75.2%に上った。まだまだ認知度の低い「心理的安全性」だが、必要だと感じる人が多いことがわかる。
必要な理由については、
「多様な意見や活発な議論によって新しいものを生み出す必要がある」
「早期にリスク情報を挙げてもらって大きなトラブルにつながるのを防ぐ」
といった業務上の利点を挙げる人が多かった。それ以外にも、
「意見を発言できないとストレスがたまる」「良い雰囲気づくり」「モチベーションの向上」
などメンバーの心情やチームの雰囲気作りに役立つという回答もあった。一方、「いろいろな意見が出されると組織がまとまらなくなる」という意見もあった。上意下達で業務を進めなければならないときには、伸び伸びとした雰囲気はいらないということだろうか。
「新人の意見を新鮮な気持ちで聞く」などの工夫で心理的安全性アップ
チームの心理的安全性が高いと成果が大きくなることもわかった。成果の大きさで回答者を3つのグループに分けたとき、成果の大きいグループには、
「チームのメンバーは、問題点や困難な論点を提起することができる」
「会議をするときは、各メンバーが同じくらい発言している」
などの特徴があったのだ。
では、安全性を作り出すためにはどうすればいいのだろうか。安全性が高いチームのマネージャーは、
「仕事を通じて、冗談を交えるように意識している」
「ベテランの意見に偏らず、新人の意見を新鮮な気持ちで聞く」
「毎週自由に意見を言い合える場を設けている」
といった工夫をしているようだ。