ネットではOKでも現実では触れない方がいい話題 「陰謀論」「ジャニーズの悪口」「不倫ネタ」
世間一般では、タブー視されている話題がある。たとえばよく知らない相手に対して、政治・宗教・野球の話は安易に振るべきではないなんてことが言われる。
ただ、最近ではこの手の話題はインターネット掲示板やらSNSなんかでしょっちゅう目にすることが増えている、実生活ではなかなか言及できないような話題も、匿名性があったり、論争しても自分のマイナスにならないネットの世界でならOKという風潮は、確かにある。(文:松本ミゾレ)
「『それなー』を実際に使ってるヤツいると聞かされてるコッチが恥ずかしくなる」
先日、2ちゃんねるに「ネットで話すならいいけど現実社会で話すのはやめといた方がいいこと」というスレッドが登場した。政治、宗教の話は当然だが、その他の意見もなかなか面白かったため、いくつか紹介したい。
一つが「アイドルの話」。具体的なアイドルグループの名前を挙げている書き込みも多かった。やっぱり自分がいくらアイドル好きでも、普段からそれを公言していると浮いてしまう。「ジャニーズの悪口」という書き込みもあった。ジャニヲタからすると確かに腹が立つだろう。いらぬ軋轢を生む危険性がある。
「マジレスすると不倫ネタ。社内不倫なんて思った以上に現実にあるから地雷踏むことになる」
という書き込みもある。最近は芸能人の不倫が頻繁にニュースに取り上げられている。ついつい職場でこの手の話に花が咲く場合もあるだろう。ただ、世間には不倫をしている奴なんて五万といるので、そんな話で盛り上がっていると、後ろ暗いことを隠している当事者の立つ瀬がなくなるということもあるだろう。
「『それなー』を実際に使ってるヤツいると聞かされてるコッチが恥ずかしくなる」
「それな」とか「わかる」みたいな短文でSNSのやりとりをしている人って今の時代割と多いんだけど、それを実生活に生かされると、聞いているこっちとしてはイライラしています。
ほかには「ウヨ系はキツイな。職場に外人いるし。女はバカ!とか言い出すやつもいたらちょっと」「陰謀論」なんて書き込みもあった。
結局ドン引きされる人って話の内容が異常に乏しいのも原因にあるのかも
僕の出会ってきた人たちの中にも、ネットで話してればいいようなテーマをわざわざそこまで乗り気じゃない相手に披露するという人がいた。こういう人たちを観察してみると、単純に彼らは常に同じテーマにしか興味がないことに気付かされる。
たとえば常に「アベ政治を許さない!」だとか言ってる奴は、通年で何かにつけ、その話を披露したがる。若い頃のやんちゃ自慢を言うことで気持ちよくなる奴も、やっぱり会話の端々に「早く俺に自慢話させて」っていう雰囲気を醸し出している。
15年ぐらい前にバイトした先に、アイドルオタクの主任がいた。この主任と2人で仕事をしているとき、「ねえねえ見てみ」と、ガラケーに表示されたジュニアアイドルの水着写真を見せられたことがあった。
彼としては自分の好きなこのアイドルの水着写真を、一緒に楽しんでもらいたいと思ったのかもしれないけど、これなんてまさに相手をドン引きさせるに足る所業だ。
こういう人たちは別に、自ら進んで嫌われたいとか思っているわけではないのだろう。しかし、視野が狭いにも程がある。自分が興味を持っている話にしか興味がない。だからずっと同じようなテーマの話しかできず、そのうちに周囲から人が離れていく。
ただ、つまんない上に、ネットのごく一部の掲示板でしか盛り上がらない話を、堂々と職場や飲み会で披露する人たちには、ほとほと感心をする。ああまで周囲の反応に無頓着であるなら、きっと本人は幸せなんだろう。