2万7000円払って雪おろし作業体験、参加するのはどんな人? 重労働、自腹も切るのに「リピーターが多い」理由 | キャリコネニュース
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2万7000円払って雪おろし作業体験、参加するのはどんな人? 重労働、自腹も切るのに「リピーターが多い」理由

豪雪地帯の雪かきや雪下ろしをボランティアに頼る自治体は多い。先日は、青森市が導入したボランティアポイント制度の中に雪かきや雪下ろしが含まれ、1回あたり100円分のポイントが加算されることで、「安すぎる」などと注目を集めた。

しかし、中には雪かき・雪おろしする人が費用を払う体験ツアーもある。重労働かつ自腹を切るこうしたツアーは度々批判を浴び、ネットでは、面接のネタが欲しい就活生が行くのではという憶測が飛ぶ。実際に参加するのはどういった人なのだろうか。

「阪神淡路大震災の支援のお礼」「雪を見たい外国人」らが参加

自腹で重労働なのにリピーターが多いそうです

自腹で重労働なのにリピーターが多いそうです

福島県の奥会津では、県内のNPO法人ハートネットふくしまが主催となって21年前から雪下ろし有志を募集している。2泊3日の日程で、食事や交流会費、宿泊費で2万7000円かかる上、集合場所の郡山市までの交通費は別途負担する。雪下ろしは一日2時間半程度で、その他は地元の人と交流したり、旅館で休むスケジュールになっている。

東京から参加する場合、東京駅から郡山駅までは、新幹線自由席で片道7680円。4万円以上の出費になるが、毎年全国から10人から20人、多い年では30人ほどの参加者がいる。

雪下ろし体験の参加者は、同団体が阪神淡路大震災の支援をきっかけに立ち上がったこともあり、始めは神戸から「お礼」の気持ちで来る人が多かったという。最近は、東日本大震災のボランティアや、同地域の水害ボランティアに来た人が参加している。

「2011年の夏、奥会津の只見町や金山町は豪雨で水害が起きたんです。そこのボランティアで来た人が、雪の季節にも来てくれています。一度関わった地域は気になるみたいで」

大学生の参加者は3年前から見かけるようになったが、「過疎地域の問題に関心があるからと言っていました」。就活のネタ作りだけが目的ではないようだ。

広島県安芸太田町観光協会では2012年から昨年まで毎年、「熱く雪かきします隊」として雪かき有志を募集していた。活動は単発で、現地の移動や雪かき道具代として、参加者は5000円負担する。2014年にはネットで「5000円払って雪かきするの?」と話題になった。

協会の担当者に、参加者にどんな人がいたか聞くと、

「小さいお子さんをつれて家族で参加した人、20代から40代の男女など、様々な人が参加されました。雪を見てみたいという理由で、広島県内で働いていた外国人技能実習生が来たこともあります」

という答えが返ってきた。大学生の参加者は数人いたが、「詳しい参加理由を聞かなかったので、就活目的かどうかまでは分からない」と言う。

地元の人との交流会が楽しみでリピーターになる 中には17回以上参加した人も

奥会津と安芸太田町、どちらにも共通するのは「リピーターが多い」「地元の人とのふれあいを楽しみにしている人たちが来る」という点だ。体験プログラムでは雪かきや雪下ろし以外に、地元の人たちと交流する時間がある。

料理を振る舞ってくれた人達や意気投合した高齢者に、もう一度会うことを楽しみにしている人は多いと言う。奥会津のプログラムでは「17回以上来てくれている人もいる」ほどだ。

家の1階部分が積雪で覆われて外出をためらい、ひきこもりがちになるお年寄りも多い中、受け入れ側は「都市部から人が来てくれれば、それだけで刺激になり、町が活性化される」(安芸太田町観光協会の担当者)と感謝を述べていた。有料の雪かき・雪下ろし体験は、少なくとも参加者にとっては、それなりの価値ある体験になっているようだ。

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