「テレワークで若手社員がサボる」は杞憂? 「パソコンが1人1台になったとき、ソリティアをしてサボっていたのは部課長以上」
働き方改革が進む中、企業によってはリモートワーク・テレワークを導入するところもある。昨年7月には、総務省や経産省、内閣府などが共同で「テレワーク・デイ」を開催し、テレワークの一斉実施が行われた。
社外で仕事をするとなると、管理職の目が行き届かなくなり、サボる社員が現れるのではと懸念する人もいる。しかし、マイクロソフトテクノロジーセンターのセンター長を務める澤円さんは3月4日、自身のツイッターで、こうした懸念を一蹴した。
「『テレワークなんて許可したら、若手社員がサボるようになるのではないか』なんていう管理職の人がおりますが、前職でパソコンが一人一台体制になった時にソリティアをやりまくっていたのは部課長以上の人たちだったことをここに記します」
ツイートは5000件以上いいねされるなど、反響が大きい。
社員がサボらないようにするより、長時間労働化を防ぐ方が現実に即している
「パソコンが一人一台体制になった時」は、職場のIT化が一気に進んだ90年代を指すと思われる。当時ウィンドウズには、無料ゲーム「ソリティア」が標準装備されていて、ゲームで暇を潰す管理職は「ソリティアおじさん」と揶揄されていた。働かずに給料だけもらっていると非難される対象でもあった。
ツイートを読んだ人からは「人間、自分に置き換えて考える場合が多いので、推して知るべしですね」という意見や、
「ウチのテレワークは管理職が認めた場合のみ。外面の理由は『仕事によってテレワーク可不可があるから、仕事を指示した管理職が判断するのが必然だ。』でも本音は『お前らなんて、どうせサボるんだから信用できるか。』」
といった声が出ていた。
澤さんも遠回しに言っていたように、管理者の目が届かなければ人はサボる、というのは杞憂かもしれない。ザイマックスが2017年に実施した働き方に関する調査によると、テレワーク経験者はテレワークのデメリットに「長時間労働になる」を挙げていた。つまり、オフィスで働いているときより仕事をし過ぎる傾向にあるというのだ。
テレワークを導入する企業の中には、セキュリティ確保の点から、自宅で働く社員の様子をカメラで記録しているところもある。サボりを防止する効果もあるだろうが、見られているという心理的なプレッシャーから、逆に仕事をし過ぎる人が出てもおかしくはない。
政府は2020年の東京オリンピックで都心部の混雑が予想されることから、テレワーク導入企業を増やしたいとしている。導入を検討している企業は、労働時間の長時間化を防ぐ方法を考える必要もありそうだ。
「テレワークなんて許可したら、若手社員がサボるようになるのではないか」なんていう管理職の人がおりますが、前職でパソコンが一人一台体制になった時にソリティアをやりまくっていたのは部課長以上の人たちだったことをここに記します。
— Madoka Sawa (@madoka510) 2018年3月4日
ウチのテレワークは管理職が認めた場合のみ。外面の理由は「仕事によってテレワーク可不可があるから、仕事を指示した管理職が判断するのが必然だ。」でも本音は「お前らなんて、どうせサボるんだから信用できるか。」こんな状態で成果主義、裁量労働なんて夢のまた夢。 https://t.co/ggkBAO8xsi
— やさぐれインフラSE しょう (@syo_osamu) 2018年3月5日