受動喫煙防止法案、飲食店の55%が適用外 「こんなんじゃ健康増進しない」と非喫煙者から不満続出
昨年から度々議論されてきた、受動喫煙防止対策の目処が立った。政府は3月9日、健康増進法の改正案を閣議決定した。学校や病院などは敷地内を、飲食店は屋内を原則禁煙とする。違反した場合は、事業者に罰金が課せられるという。電子タバコも対象になる。
ただ、例外も多い。当初は敷地内全面禁煙の方針だった学校や病院は、屋外に喫煙所を設けることが可能になった。また、飲食店も屋内に喫煙室を設置すれば喫煙可能になる。
さらに、客席100平方メートル以下で個人経営、もしくは資本金5000万円以下の中小企業が運営する店舗は、そもそも法律の対象外となる方針だ。厚労省の推計によれば、例外店舗は55%に上るという。
「というか、喫煙室を設ければ吸えるのだから、実質100%喫煙できるのでは」
閣議決定された改正案には、愛煙家からは「大勝利www ザルだわ」など安堵する声も上がっている。しかし、非喫煙者の落胆は大きい。飲食店内の喫煙室は、従業員も含め20歳未満の立ち入りは禁止される予定のため、こうした点を評価する人もいる一方、
「こんなんじゃ健康増進しないよ」
「原則喫煙可能。例外禁煙だろ、これは」
と、例外店舗が半数を超えることに違和感を持つ人が多い。
「というか、喫煙室を設ければ吸えるのだから、実質100%喫煙できるのでは」
という指摘もあった。
昨年3月に厚労省が出した案では、喫煙可能な店舗は床面積30平方メートル以下の、バーやスナックなどに限定されていた。その後、自民党議員らからの強い反発もあり、一時は店舗面積150平方メートル以下の案も出ていた。今回の改正案では客席面積100平方メートルに落ち着いたとはいえ、当初案と比べると、やはり後退したと言わざるを得ないだろう。
政府は東京オリンピック開催までの施行を目指し、今国会で改正案を提出する予定だ。