長時間労働が当たり前になっている職場の実態 「不健康そうな社員が多い」「出退勤をPC上で入力しサービス残業」
過労死や過労自殺が問題となっている長時間労働。政府が進める「働き方改革」でも、長時間労働の解消が掲げられているが、まだまだ残業や休日出勤は多い。
戦後の高度経済成長期以来、忙しく働くことが「日本人の美徳」のように考えられてきた。しかしその長時間労働が、働き盛り世代の労働意欲や命まで奪う原因になってしまっている。企業口コミサイト「キャリコネ」には、長時間労働に直面した人々のリアルな声が寄せられた。(※参照元 キャリコネ「長時間労働」)
「休日や夜中でも関係なく業務的なメールやLINEが来る」
「ノー残業デイと言う名前だけの日があるが、支店は関係なく毎日残業。出退勤をPC上で入力しサービス残業。休日や夜中でも関係なく業務的なメールやLINEが来るので、プライベートがほとんど無く、休んだ気が出来ない状態でした」(営業 10代後半 男性 正社員)
「残業、休日出勤はあたりまえでした。社内にいるときは12時近くまで。土曜日は隔週休みのはずがほぼ仕事。有休なんて使えませんでした」(法人営業 20代後半女性 正社員)
「不健康そうな社員が多い。休日も少なく上司から夜中まで飲みにつき合わされ、かなり面倒です」(営業 10代後半 男性 正社員)
残念ながら、雇用契約書に明記されているはずの休日や退勤時間も、現場では「なかったこと」にされている人々が多いようだ。そんな状況では有給の使用どころか、定時帰宅すら難しい。
タイムカード上では定時上がりになっていても、実際は深夜までのサービス残業が横行している。帰宅後や休日も業務連絡が頻繁にあればプライベートの時間は削られる。また、「飲み会」という名の上司との付き合いも、長時間労働の一因となってしまっているようだ。
「出世するためには長時間労働が必要」
過労自殺やうつ病など悲しいニュースが多く報じられる中、いまだに長時間労働を美徳とする経営者や上司も存在している。
「経営陣は長時間労働であっても我が社のコンテンツに携われて幸せだろうと思っている節があり、経営陣がごっそり入れ替わらない限りは、この状況は改善されないと思われる」(グラフィックデザイナー 20代後半 男性 正社員)
「出世するためには長時間労働が必要という考え方が強い。また、労働集約が是という考えもあり、業務の自動化、効率化という考え方は弱い」(マーケティング 20代後半 男性 正社員)
「部署によっては働き方改革が言われているが、基本的には残業は多く、休日出勤もコンスタントにある。有給消化も自分自身はここ5年くらいほぼ未消化で、ワークライフバランスはあまりよい状態とは言えないというのが本音」(法人営業 30代後半 男性 正社員)
ワークライフバランスを実現するためには、「長時間労働が当たり前だった世代」の意識改革が重要だ。短時間で成果をあげ、プライベートや家族と過ごす時間を大切にする価値観を、職場全体で共有していく必要がある。
仕事で命を落とさないためにも、現場レベルでの「働き方改革」が早急に行われるべきだろう。(※参照元 キャリコネ「長時間労働」)