東京都「花粉マップ」で皇居周辺だけ濃度が低い謎 一体なぜ?管轄部署に聞いてみた
東京都の「とうきょう花粉ネット」がにわかに注目を集めている。都内各所のスギやヒノキの花粉濃度データを1時間ごとに掲載しているものだが、3月15日の朝8時の濃度具合を見ると、都内全域で軒並み高濃度の花粉が計測されている一方、皇居周辺だけは花粉の濃度が低くなっているのだ。
マップに気づいた人からは「なんで?どういう仕組なの?」「皇居は何かに守られている」など不思議がる声が出ていたが、実際にどういった理由があるのだろうか。東京都の健康危機管理情報課の担当者に取材したところ、意外な答えが返ってきた。
「はっきりした理由はわからないが、単純に計測機器の誤差ではないか」
午後のデータでは小平市周辺を除きすべての地域で高濃度の花粉検出
花粉マップは、都内10箇所に設置した計測器のデータを元に作られている。皇居周辺では、千代田区神田錦町3丁目のビルに機器がある。計測は、機器が吸い込んだ空気にレーザーを当て、反応する粒子を数える方法で行っているが、
「計測システムは誤差が大きい。霧が発生した場合は霧も、花粉と同じくらいの大きさの粒子があれば、花粉でなくてもカウントしてしまう」
という。このため、今回ネットで話題になった現象も、皇居周辺が少ないというわけではなく、一時的な計測の誤差なのではないか、という見方を示した。
例年、千代田区の花粉飛散量が少ないという傾向もなく、「皇居の植物環境が花粉の濃度低下に影響している可能性もないと思う」と答えていた。担当者の発言を裏付けるように、13時のデータでは花粉が少なかった千代田区周辺は、14時のデータでは他と同様、真っ赤に染まっている。
ネットでは「花粉症になったら皇居周辺に行けばいいのか」という反応もあったが、どうやらそうではなさそうだ。