前川氏授業で照会求めた自民・赤池議員 文科省の「友達に国境はない」というフレーズに激怒し「担当者に猛省を促した」とブログに投稿
前川喜平・元文科省事務次官が愛知県内の中学校で講演した際、文科省がその内容を確認しようとしていた問題で、文科省は、自民党の赤池誠章参議院議員らから質問の照会があったと明らかにした。赤池議員は3月20日午前に党本部で会見を行い、文科省への圧力を否定している。
しかし、赤池議員のブログを読むと、過去に文科省に対し、他にも抗議をしていたことが分かる。2015年には、文科省と東宝が共同作成したポスターのキャッチコピー「友達に国境はな~い!」を強く非難していた。
「たかがキャッチフレーズ。されどキャッチフレーズ」
ポスターは映画「ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年」の公開に合わせ作成されたもの。イタリアから来た少年とまる子たちが友情を深めるストーリーから、文科省は
「国際理解の魅力・大切さを伝える内容。これは、文部科学省が推進している国際教育の普及啓発の趣旨にも沿っていると考えられるもので、本企画を通じて国際教育の趣旨を広く伝えていきたい」
としていた。
しかし、このポスターを知った赤池議員は激怒。映画公開直前の2015年12月上旬、自身のブログに「『友達に国境はな~い!』文部科学省の国家意識」という記事を投稿し、
「たかがキャッチフレーズ。されどキャッチフレーズ。一事が万事で、言葉に思想が表出するものです。国家意識なき教育行政を執行させられたら、日本という国家はなくなってしまいます」
「文科省の担当者には猛省を促しました」
と書いていた。
「カジュアルに圧力をかけている」という声も
赤池議員は当初、「ちびまる子ちゃんが言う分には目くじら立てる程のことはない」とも思ったという。しかし、キャッチフレーズが、東宝が提案した複数案の中から文科省が選んだものだと知り、問題だと考えたようだ。
ブログによると赤池議員は、文科省の政務官を務めていた時、「国際社会とは国家間の国益を巡る戦いの場であり、地球市民、世界市民のコスモポリタンでは通用しないと機会あるごとに言ってきた」と書いている。ポスターのキャッチコピーは、こうした赤池議員のスタンスに相反するもので、自身の考えが文科省に浸透していなかったことに怒りを覚えたようだ。
ブログの投稿を読んだ人からは、「カジュアルに圧力をかけている」「すごい言いがかりだね」などのツッコミが相次いでいる。