36歳、年収1100万円が転職で半減、子どものお受験も断念 高学歴の外資エリートだった男性 | キャリコネニュース
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36歳、年収1100万円が転職で半減、子どものお受験も断念 高学歴の外資エリートだった男性

新年度を迎え、新たな境地で春を迎えた人も多い時期。中には上位校とされる大学から希望の就職先へと人生のコマを進め、希望にあふれている人もいることでしょう。

トップクラスの私立大学理系学部から大手外資系企業に就職した相沢健さん(仮名/40代)も、そんな人生を歩んできたひとり。しかし、昇進をきっかけに、思いもよらぬ人生を送ることになってしまいました。(取材・文/千葉こころ)

自分の稼ぎだけで専業主婦の妻と子どもを養うという夢を実現

思わぬところでつまづきました。

思わぬところでつまづきました。

共働きの両親のもとで育った相沢さんは、自分の稼ぎだけで家族を養えるようになりたいとの思いから、大手企業への就職を目指して努力を重ねてきました。

「小学生のころから鍵っ子で、寂しい思いをしてきました。古臭い考えだとわかってはいますが、子どもに同じ思いをさせたくないという思いが強く、自分一人の給料で家族が安心して暮らせるくらい稼げる男になりたかったんです」

就職から8年目に結婚。当初は共働きでしたが、1年後、妊娠をきっかけに奥さんが退職します。出産前は産後復帰を視野に入れていたという奥さんも、いざ子どもが生まれると自身の手で育てたい思いが強まり、また、ママ友から聞く保活の厳しさも相まって、子育てが落ち着くまでは専業主婦でいたいと思うように。そうして、相沢さんが幼いころから夢見てきた家庭を実現しました。

2年後には2人目も誕生。子どもたちの将来を考えて、小学校受験に向けた教育も始めます。自分の腕に家族の今と将来がかかっている――そんな思いから相沢さんはますます仕事に打ち込み、昇進を果たしました。

昇進したと思ったら元上司が部下になって面倒な事態に

36歳のころには年収が1100万円にもなった相沢さん。喜びに浸ったのも束の間、異動先の部署で思わぬトラブルに巻き込まれてしまいます。

「うちは実力主義なので、年齢や勤続年数と役職の逆転現象が起こることもよくあります。ただ、越された側には快く思わない人もいますよね。僕もそんなやっかみのターゲットになってしまったんです」

配属先には、入社当初お世話になった元上司が部下として在籍していました。多少のやりづらさは感じたものの、信頼していた元上司と再び一緒に仕事ができることをうれしく感じたと相沢さんは言います。でも、相手はそうではありませんでした。

「後から聞いた話ですが、僕の就いたポストは、直前まで彼が最有力視されていたんだそうです。本人もそのつもりでいたらしく、『横取りされた』との思いが強かったのでしょう。配属された翌日から嫌がらせを受けるようになりました」

元上司としてのプライドが傷ついたのか、ポストをとられた悔しさなのか、はたまたその両方か……。元上司は事あるごとに相沢さんにたてつき、仕事の進め方に難癖をつけ、外では「相沢は上に取り入るのがウマい」「昇進できたのもコネ」などと流言していたそうです。

さらに、相沢さんに相談することなく暴走することもしばしば。相沢さんは、上からは部下の管理ができていないことを注意され、当の元上司からは嫌がらせを受ける日々を過ごすうち、不眠や食欲減退、突然の高熱、激しい頭痛や胃痛などの症状がでるようになりました。

病院でストレス性のものと診断され、勧められて訪れた心療内科で軽い鬱も発覚し、休養を余儀なくされます。昇進から1年足らずのことでした。

「休養と言っても、実質的には退職前の有休消化。うちのような会社では、戻ったところで居場所はありませんから。私も例にもれずそのまま退職して、転職しました」

高学歴より実績 アラフォーが転職活動で目の当たりにした厳しい現実

これまでエリート街道を歩んできた相沢さんですが、転職は「思いのほか困難を極めた」とのこと。

「アラフォーになると、大切なのは学歴より実績なんですよね。最終的な役職は目を引いたものの実務は1年ほどだし、軽度とはいえ鬱で退職したのも響いたと思います。年収があまり下がらないように探していましたが、どこも採用には至りませんでした」

最終的に決まった先は、中小企業の管理職。環境に恵まれて精神的な安定は得られましたが、年収は半分近くに下がってしまいました。子どもたちの小学校受験は断念し、専業主婦だった奥さんも働きに出るように。ようやくつかんだ憧れの生活は、夢と散ってしまったのです。

「おかげさまで、体調も仕事も順調です。でも、妻や子どもたちに申し訳ない気持ちは拭いきれません。もう一度大手へ挑戦したい思いもありますが、学歴が武器にならないとわかった今、ちょっとしり込みする気持ちもあります。この先どうしていくべきか、悩み続ける毎日です」

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