大阪府の会社員、働き方改革に消極的? 自社で取り組むべき課題「分からない」、全国平均を15ポイント上回る
Sansanは4月11日、大阪府内における「働き方改革実態調査」の結果を発表した。調査は今年4月にインターネットで実施し、20~60代で全国の会社員218人と大阪府内の会社員216人から回答を得た。
現在の勤務先に働き方改革は必要だと思うかを聞くと、「とても必要だと思う」「やや必要だと思う」の合計が58.8%となった。過半数の会社員が働き方改革を求めているものの、全国平均(75.2%)より16.4ポイント低い。また「わからない」は18.1%で、全国(6%)を大きく上回った。
自身の会社が取り組むべき働き方改革のアクションについても「わからない」(32.9%、平均:17.9%)が最も多い。同社は「働き方改革への理解度や意識の遅れが見て取れます」としている。
「勤務先で改革実施済み」わずか5.6% 成果実感する人も少ない
取り組むべきと考えるアクションでは「残業代支給などの給与改善」(17.1%)、「業務時間管理の強化」(16.2%)、「残業時間の引き下げ」(9.3%)と、勤務時間と給与に関する要望が多い。
また働き方改革について、勤務先で「すでに取り組んでいる」と回答した人は5.6%で、平均の15.6%と大きな開きが見られた。「取り組み始めている」(18.1%)と回答した企業を合計しても23.7%で、こちらも平均(40.4%)を大きく下回った。
成果については「とても実感している」「やや実感している」の合計が47.1%で、これも平均(59%)より11.9ポイント低い。
勤務先での働き方改革の目標については「従業員の心身における健康の向上」(70.6%)が最多で、平均(64.8%)より高かった。以降、「生産性の向上」(37.3%)、「コスト削減」(37.3%)、「従業員満足度の向上」(35.3%)と続くが、これらはいずれも平均を下回る数値となった。
「サービス残業増えた」「賃金が下がった」など業務に支障も
働き方改革の主な取り組み内容は、全国平均同様、「残業時間の引き下げ」(58.8%)、「業務時間管理の強化」(52.9%)が多かった。「女性登用の活性化」(29.4%)は平均の26.1%を上回っている。
しかし、働き方改革によって「業務に支障が出ている」と感じている社員は43.1%いる。その理由は、59.1%が「サービス残業が増えた」と回答。他にも「業務時間が減り、賃金が下がった」(45.5%)、「業務品質が下がり、顧客満足度が減った」(22.7%)という声も上がっている。
ちなみに勤務先が働き方改革に取り組んでいない社員の37.8%は、「経営者が取り組む必要性を感じていない」と回答している。「社内の労力がなく取り組めない」(27%)、「社員が取り組む必要を感じていない」(21.6%)も多く、同社は「簡単に取り組める働き方改革の施策が求められている」と指摘した。