「女子学生はスカートでないと受からない!」と明記しているトンデモ就活本があった
本屋に行くと、自然と就活本のコーナーを見に行くのが習慣となっています。毎年のように新しいトンデモ就活本に出会いますが、よくネタが尽きないものだと感心してしまいます。以前、ご紹介した「履歴書を装飾しろ」などという指導もその一つです。
最近見かけたものでまた驚かせてくれた本がありました。「女子学生はスカートでないと受からない。パンツスーツだとマイナスになる」とはっきりと書いてあるのです。「未だにこういうくだらない本があるんだ…」と思わず苦笑してしまいました。(文:河合浩司)
与太話を真に受けて相談しにくる人がいる
これは時代錯誤も甚だしい話です。そもそも「女性はスカートでないと受からない」という時代があったのかどうかも怪しいと思いますが…。ジョークにしては、書き方が分かりにくすぎました。
このような本に不安を煽られた学生さんから、私のツイッターにも相談が来たことがあります。ちょうど就活が動き始める頃だったので、周囲の服装を見始めた時期だったのでしょう。
「私はもうパンツスーツを買ってしまったのですが…。お金もあまりないのでもう1着買うのは厳しいのですが、無理してでもスカートを買った方がいいでしょうか?」
文章からも切羽詰まっていることが伝わってくる文面でした。私は「どちらでも合否には関係ないので、ご安心くださいね」と返信をしました。
社内既定の制服がスカートで、着用の義務があれば入社後は従う必要はあるでしょう。だからといって、選考中の服装が「スカートではない」という理由だけで合否を決めて、良い人材を採用できるのでしょうか。
そもそも、女子学生のみなさんに伺いたいのですが、「パンツスーツで来たから落とそう」などという採用担当者がいる会社に入社したいですか? 「スカートかどうか」をチェックし続ける人がいる職場で働きたいですか?
「若い女性」を使い捨てる会社に滑り込みたいのか
百歩譲って、服装には業界ごとの違いがあるとしましょう。銀行の面接に派手なネクタイを締めていく人はいないでしょうし、アパレル業界の面接でファッションセンスを感じさせる雰囲気が無関係とまではいえません。
しかし、だからといって「女性はスカートでないと受からない」ということを一般論として述べることはありえません。若い女性をウリにした営業で使い捨てるつもりの会社に、どうしても滑り込みたいのであれば他人がとやかく言うものではありませんが…。
仕事に必要な服装など、入社してからどうにでもなることです。一般的な採用担当者の立場から言えば、面接中は目の前の「人」を見ることに集中しているので、面接終了後に「Aさんがスカートで、Bさんはパンツスーツだった」などということは、ほとんど覚えていません。全く興味がないからです。
ハッキリ言って、このような表面的な判断基準で合否を決める企業には、入社しない方がいいでしょう。ということで、就活本の類いを読むと余計な不安を抱えがちなので、そういう本を読むくらいなら希望する仕事に関連する本を選ぶことをおすすめします。
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