中小企業の3割が夏ボーナス増額、商社・メーカーは9割で実施 「業績好調」「離職・退職の予防」などが理由
エン・ジャパンは6月19日、従業員数300人以下の企業を対象にした、夏のボーナスに関する調査結果を発表した。調査は4月下旬から5月下旬にかけ、「エン人事のミカタ」を利用する企業を対象に実施。584社から回答を得た。
昨年の夏ボーナスと比べ「増額予定」と答えた企業は35%だった。業種別にみると、増額予定と答えた企業が最も多かったのは「商社」で、93%にも上った。次いで多かったのは「メーカー」(91%)で、その後「流通・小売関連」(89%)、「サービス関連」(85%)と続く。
一方で「前回多く支給しすぎたから減らす」という企業も
増額理由で最も多かったのは「業績が好調」(74%)。次いで多かったのは「社員の意欲向上」(67%)で、3位は「離職・退職の予防」(20%)だった。
増額予定の企業を対象に、昨年夏と比べてどの程度増やす予定か聞いたところ、51%の企業が5%未満(1%未満:2%、1~3%未満:23%、3~5%未満:26%)と回答した。10%以上増やす企業は1割だった。
減額予定と回答した5%の企業に、昨年と比べ何%減額するか聞くと、こちらも5%未満(1~3%未満:14%、3~5%未満:14%)と回答した企業が最も多く、28%だった。減額理由1位は「業績不振」(74%)で、2位が「その他」(13%)。「その他」の詳しい内容は、「前回多く支給しすぎたから」、「経費圧縮のため」などが含まれる。
調査では、ボーナス支給に関する悩みや課題も聞いている。
「支給額を口止めしても共有してしまう従業員がいるため、噂レベルで支給額の差が広まってしまう。それにより、不満を持つ従業員がいるため、全員が納得する基準額が難しい」(サービス関連、101~300人)
といったコメントや、
「人事考課表があり、自分自身と上司からそれぞれ提出をさせて社長が参考にしているが、上司の見解がそれぞれ違うため、判断基準が難しい」(メーカー、11~30人)
などの声が寄せられていた。