「時間と場所に縛られない働き方」日本はグローバル平均下回る リモート勤務用機器のサポート進まず
総合人材サービス会社ランスタッド・エヌ・ヴィーは6月21日、世界33の国と地域で働く1万5185人を対象に実施した「成果や満足度を高めるための場所や時間にとらわれない柔軟な働き方に関する調査」を発表した。
調査は今年1月に実施。昨今、働き方改革の推進により、日本でもテレワークなど、時間や場所にとらわれない働き方の導入が進んでいるが、今回の調査で、「勤務先ではいつでもどこでも働ける」と回答した日本の労働者は40.2%だった。
グローバル平均は41.3%。1位はインドの64.4%だった。日本はグローバル平均をやや下回るものの、実際はグローバル並みに多様な働き方の制度が整いつつあることがわかった。
しかし、実際の勤務に関しては、日本の81.2%の人が「全員が営業時間にオフィスで働いている」と回答しており、グローバル平均67.7%と比較して13.5ポイントの開きがあった。
日本は、「柔軟な働き方」は必要に応じて実施するものという意識が根強い?
日本企業でオフィス外での勤務が広がらない背景には、テクノロジー面でのサポート不足がありそうだ。リモート勤務用の機器に関する質問で、「勤務先から提供されている」と回答した人は、わずか33.6%で調査国の中で最下位だった。
また、「オフィス以外で働きたいが、職務上できない」という項目に、男性の55.5%、女性の64.4%が同意している。女性の方が自由度の少ない環境で働いているようだ。
「ワークライフバランスを目的とした柔軟な勤務形態」については、日本の労働者の75.1%が好意的な意見だった。しかし、「生産性、創造性、仕事に対する満足度を高めるための柔軟な勤務形態」に同意する人は66.7%で33か国中最下位。柔軟な働き方は、労働時間を短くしたり、介護や子育て時にも働けるようにするためのもの、という考え方が根強いようだ。