児童書の1ページに無数のホチキス…静岡市立図書館の貸出本がいたずら被害「こんなことやめて。これでは捨てるしかない」 | キャリコネニュース
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児童書の1ページに無数のホチキス…静岡市立図書館の貸出本がいたずら被害「こんなことやめて。これでは捨てるしかない」

図書館の利用マナーが問われている。静岡市立図書館のツイッターは7月31日、大量のホチキスの針が刺さったページの画像と共に、

「(…お願いだ。こんなことをするのはやめてくれ。本がかわいそうだ。これではもう次の人に貸せない、つまり捨てるしかないんだ。新しく買い直すにも出版年が古かったりするともう買えないこともあるんだ。頼んだよ。)」

と、ツイートした。同図書館の担当者によると、この本は「飛ぶ教室」(岩波書店)という児童文学で、被害が発覚したのは7月29日。図書館の利用者が、書架に入っていたこの本を手に取ったことで分かった。

貸し出し記録分からず、弁償を求めることもできない

本はみんなのもの。マナーを守って使いましょう。

本はみんなのもの。マナーを守って使いましょう。

本にいたずらされたのがいつの時点か、割り出すのは難しそうだ。仮に借りた人によるものだとしても、貸し出し記録は返却時に消えてしまうため、借りた人の氏名や住所を割り出すことはできない。そのため、弁償を求めることもできないという。

静岡市立図書館のツイッターは7月8日にも

「(…あのね、図書館の本をコーティングしているビニールには防水効果は無いのね。あと、紙芝居や貴重な本を入れて貸出をしている袋も防水効果は無いのね。だから、雨の日に本を持ってくる時は、ちょっとの距離でも濡れないようにしてくれるとうれしいな。よろしくな。)」

と、利用マナーの呼びかけを行っている。これは「雨の日は、水濡れの被害が多くなるため」呼びかけたそうだ。

今回のような、故意と思われる破損や汚損は「すべて把握しきれていない」のが現状だ。「利用者に過失によるとものだと言われてしまえばそれで終わりなので」という事情もある。

静岡市立図書館はこれまで、本が返ってきた時のチェックは、表紙の水濡れ確認など簡易的なものだった。中身のチェックもしていたものの、「全てを確認することは難しかった」という。担当者は

「被害が分かってから日が浅いので、今後の方針は決まっていません。ただ、こうしたことがあったので、中身のチェックの仕方もこれからは検討していきたいです」

と話していた。

汚破損本をあえて展示し、本の扱いについて考えてもらう取り組みも

汚れや破損が酷く、貸し出せなくなった本「汚破損本」は、後を絶たない。大阪市立中央図書館の担当者は「ポスターなどを貼って呼びかけているが、毎年ゼロにはならない」と話す。返却時の本の状態が悪く過失・故意の汚損・破損が疑われる場合には、借りた人に声をかけ、借りる前の状態を確かめているというが、返却ポストなどを使って返された場合には、本人を特定できないという。

「貸出している本は、返却前であれば、貸出カードの番号と本の番号を照合し、誰が借りているか管理することが出来ます。しかし、一度返却されると照合に必要なデータが消えてしまうため、誰がその状態にしたかわからなくなってしまいます」

横浜市立中央図書館では2010年から、修復可能な汚損や破損を、ボランティアの手で繕っている。2017年度の修理冊数は4840冊だ。もちろん、中には経年劣化によるものも含まれるが、多くの本が傷ついて返却されていることは確かだ。無くならない破損・汚損を受け、あえて汚破損本を展示し、本の扱いについて考えてもらう取り組みをしている図書館もある。

ツイッターでは、静岡市立図書館のツイートを見た人から

「これはひどすぎる」
「悪質過ぎますね」
「こんなことが続くと図書館に監視カメラ設置、個人認証必須となってしまう」

と、多くの怒りの声が上がっていた。

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