【最新版】電気機器業界の働きやすい会社ランキング 1位のパナソニックには他社で働ける「社外留職」制度も
企業口コミ・給与明細サイト「キャリコネ」は7月25日、「電気機器業界の働きやすい企業ランキング」を発表した。
本ランキングは、対象期間中にキャリコネのユーザーによる「労働時間」「やりがい」「ストレス」「休日」「給与」「ホワイト度」の6項目の評価の平均点(総合評価)が高い電気機器業界に属する企業をまとめた。
育児との両立に注力するキャノン 妊娠判明時から使える休業制度・短時間勤務制度
1位:パナソニック(3.65点)
~「経営の神様」松下幸之助が創業~
1965年、日本で初めて週休2日制を導入した「パナソニック」(当時松下電器産業)。MBA留学制度や一定期間業務から離れてスキルアップに集中できる研修制度があるなど、人材育成に力を入れている。2018年には服装を自由化し、社員が1年程度他社で働ける「社外留職」、別の部門の仕事を掛け持ちできる「社内複業」など、ユニークな制度も導入。「エンプロイヤーブランド・リサーチ 2018 ランスタッドアワード」では働きたい企業として1位を獲得している。
「働き方改革で残業をなるべく減らすような取り組みがなされています。上司も率先して早く帰っています。研究所は働く時間に関して比較的本人に裁量があり、ほとんど残業しない人もいれば、30時間程度する人もいます。休日出勤については、どうしようもないとき以外はありません。休日出勤した場合は平日に代休を取る制度になっているため、出勤日数も休日の日数も変わりません」
(研究開発 30代後半 男性 年収850万円)
「会社として、ハード面での技術力があること、またブランド力も高く拡販力があることより、コンシューマーに大きなインパクトを与える商品や技術に携わることができる会社であり、そこに面白みややりがいを感じることができると思う。また、商品が多岐にわたるため、さまざまな分野で活躍することもできる」
(機械設計 30代前半 男性 年収610万円)
2位:ソニー(3.64点)
~海外売上比率が7割を超えるグローバル企業~
家電、映画、音楽、金融分野など多方面で事業を展開している「ソニー」。2015年には、配偶者の海外赴任や留学に同行する際に利用できる休職(最長5年)、私費就学による休職(最長2年)を可能にする「フレキシブルキャリア休職制度」を導入した。評価項目別では「給与」の満足度でトップとなった。
「社風は本当に自由闊達だと思います。私は研究開発でしたが、社服などもなく私服で勤務できていました。また、職場の環境も非常に働きやすいもので、1人分のデスクも他社に比べるとかなり広く、圧迫感なく仕事ができました。働く場所にもよりますが、夏には露店などが出るお祭りみたいなものもやっている職場もあり、とても楽しい雰囲気です」
(研究開発 20代後半 男性 年収700万円)
「一般的な電機メーカーのなかでは年収は高いほうであったと思います。基本的に残業代は申告したぶんだけ発生し、出張手当などもきちんと出ました。7年間は手厚い家賃補助が支払われていたため、非常に助かりました。家賃の6割~7割程度を会社に負担していただいていたと記憶しています」
(研究開発 30代後半 男性 年収940万円)
3位:キヤノン(3.56点)
~デジカメ、レーザープリンター、FPD露光装置で世界シェア1位~
デジカメ分野でEOSシリーズなどを展開し、世界シェア39%(※)を誇る「キヤノン」。「ノー残業デー」を徹底し、育児・介護との両立支援にも注力している。妊娠判明時から利用できる休業制度・短時間勤務制度や、不妊治療費補助制度、ベビーシッター料金の割引制度も。トップ主導で働き方改革に取り組み、「労働時間」「ストレス」「ホワイト度」の3項目で1位を獲得した。
※2017年度キヤノン推定
「昇進試験にいかに早く合格できるかによって同期でも大きく年収が異なってくる。最速で試験に合格し昇進できれば、同業他社の同年齢で比較しても、満足いく報酬を得ることができる」
(研究開発 20代後半 男性 年収670万円)
「しっかりと管理させており、サービス残業はありません。現在は、残業代削減の流れから早期に帰らせる風潮となっており、残業はほとんどしなくていい状況です。土日もしっかりと休めます。あまり社内接待という概念もなく個人のペースで働けます」
(財務 40代前半 男性 年収800万円)
NEC、「残業や休日出勤を強いられることはない」「男性でも育児休暇を取れる」
4位:富士ゼロックス(3.52点)
~国内MPS(マネージド・プリント・サービス)市場で売上シェア1位~
「富士ゼロックス」は、非対面営業や営業支援システムの導入、モバイル活用等を行い、営業の効率化を図ってきた。自社の経験をもとにソフトウェア製品等の機能を進化させている。働き方改革に早くから取り組み、在宅勤務制度や、出産等で退職した社員の再雇用制度、積休(失効した有給を最大60日積み立て可能)なども用意。評価項目別では「休日」の満足度が1位となった。
「穏やかな人が多い。言いたいことはそれなりに言える風土。変なローカルルールのようなものはあまり存在しない」
(プロジェクトリーダー 30代後半 男性 年収680万円)
「(福利厚生について)非常に充実している。年に1~2万円分を自由に使用できるチケット制度(ベネフィット・ワン)あり。10・15・20・25年次など、一定年数勤務することによる年次褒章制度も存在する」
(システムエンジニア 30代前半 男性 年収500万円)
5位:日本電気(3.51点)
~SIサービスで優位性を保つ~
官公庁や大企業向けの事業も展開し、社会のインフラを支える大手電機メーカー「日本電気(NEC)」。30年以上前からサテライトオフィスの導入、フレックスタイム制度・育児介護時短勤務制度の整備等の働き方改革に取り組み始めた。テレワークにも力を入れており、グループ全社員10万人が対象で回数制限はなし。2018年からは自宅以外の実家でもテレワーク可能となった。
「残業や休日出勤を無理やり強いられることはない。むしろ、残業を抑えられている印象。みんな自分自身の判断で実施している。休日出勤は裁量労働制の主任でも給料が支給される」
(ソフトウェア関連 30代前半 男性 年収770万円)
「突発的な休暇は問題なくとれる。男性でも育児休暇をとる方も珍しくない。また、家族都合で休暇をとる場合はそれ専用の休暇があり、有給休暇を消費する必要がないため、安心して休める」
(研究開発 20代後半 男性 年収490万円)
セイコーエプソン、「職場の人間関係はいたって良好」
6位:リコー(3.39点)
「会社としては、制度を充実させてきている。家庭を持つ女性は、管理職を含めて時短勤務されている方も多くいる。最近は、男性の育児休暇を取る人もみかける」
(プログラマ 30代後半 男性 年収580万円)
7位:セイコーエプソン(3.38点)
「全体的にのんびりとした会社ではある。給料も安定して高いほうと考えている。職場の人間関係はいたって良好で、全体的にみれば良い会社ではないかと思う」
(総務 30代前半 男性 年収580万円)
8位:シャープ(3.23点)
「コンプライアンスに厳しいため、残業代は100%付く。休日出勤も100%付く。残業量と休日出勤量は部署によって異なる。特に家電系とデバイス系で仕事のやり方が大きく異なる。デバイス系のほうが残業、休日出勤は多いように感じる。ノー残業デーも毎週1回設定されていて、機能している」
(海外営業 40代前半 男性 年収780万円)
8位:日立製作所(3.23点)
「残業が多いなどのブラック企業ではありません。有給も取りにくいということはなく、精神的な負荷は少ないです。福利厚生も充実していますし、お休みもしっかりと取ることが可能です。十分にオススメできる企業だと思います」
(デジタル回路設計 30代後半 男性 年収730万円)
10位:東芝(3.20点)
「モバイルワークがある程度浸透していたため、比較的自由に仕事をすることができたと思います。提案書作成等、忙しい時は12時間働くこともあれば、やることをやりきった時には15時には退社していることもありました。クライアント担当は皆自由な働き方をしている人が多かったと思います」
(法人営業 20代後半 男性 年収450万円)
調査の対象は、『業界地図2018年版』(日本経済新聞出版社)の「AV・デジタル家電」「デジカメ・ビデオカメラ」「事務機器」「白物家電」に記載の企業のうち、2017年4月1日~2018年3月31日の間に「キャリコネ」に20件以上の評価が寄せられた企業。