東京五輪メダルの「金属供出」は意外と使える? 「10年前のオンボロPCを処分できる」と喜びの声も
東京2020組織委員会は、東京五輪・パラリンピックのメダルをリサイクル金属で製作するため「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」を実施している。使わなくなった携帯電話やパソコンを回収し、金属を取り出して利用するというプロジェクトだ。
学生ボランティアが学徒動員と揶揄される一方、こちらは戦時中の「金属供出」を連想させるとして評判が悪かった。しかし一方で、”不要な家電を回収してもらえるチャンス”として再評価する声も出ている。
パソコンと一緒なら無料で家電を回収、宅配業者が自宅まで来てくれる
回収方法には、役所等に置かれたボックスでの回収や宅配回収がある。便利なのは宅配回収だ。自宅や職場に宅配業者が回収しにきてくれるという。
回収品目は、パソコン、パソコン周辺機器、携帯電話、デジタルカメラ、カーナビ、電子レンジ、掃除機、電話機など多岐に渡る。回収を依頼する品目の中にパソコンが入っていれば、回収は無料。もしパソコンが入っていなくても1箱1500円で回収してもらうことができる。1箱のサイズは3辺合計が140センチメートルまでと限られてはいるものの、古くなった家電の処分に十分利用することができる。
全国約7000か所に設置されたボックスでは、携帯電話やデジタルカメラ、携帯ゲーム機などの小型家電を回収している。例えば新宿区では、区役所本庁舎1階や大久保特別出張所に設置されている。
ネットでは、
「10年前のオンボロPCと液晶を処分できるじゃん」
「ブラウン管テレビやパソコンがずっと始末できなくて邪魔で邪魔で…」
と歓迎する声が相次いでいた。ただしテレビは回収してもらえないことに注意したい。
また東京五輪・パラリンピックについては、サマータイムや無償ボランティアが批判を浴びてきたことから「オリンピックが都民の役に立つ話って初めて聞いた」と皮肉を言う人もいた。
リサイクル金属のみでメダルを作るのは東京五輪が初めての試み
同プロジェクトの狙いの1つは、リサイクルへの意識を高めることだ。組織委員会の担当者は「自宅で眠っているゴミをリサイクルできるということを、五輪・パラリンピックを通して知ってもらいたい」と話していた。
2010年のバンクーバー五輪でもリサイクル金属がメダルの製作に使用された。2016年リオ五輪では銀メダルと銅メダルに30%のリサイクル原料が使われていた。金メダルは、水銀を使わずに抽出した金のみを使用していたものの、リサイクル原料は使われなかったという。
もしリサイクル金属のみでメダルを作ることができれば、五輪史上初となる。2018年6月までに全国の自治体が2万6341トンの小型家電を、NTTドコモが411万7000台の携帯電話を回収している。