9月28日に放送された『モーニングCROSS』(MX系)では、NPO法人フローレンスの代表理事を勤める駒崎弘樹氏が、望まない妊娠を無くすためにアフターピルが手軽に手に入る環境を整備すべきと語った。
まず、駒崎氏は「虐待死の4割は0才児なんです。こうなってしまう一つの要因として”望まない妊娠”があります」と指摘する。(文:石川祐介)
海外では薬局で安価にアフターピルが買える
望まない妊娠の例として「レイプなどの性犯罪やパートナーが避妊をしてくれないなど、女性サイドでコントロールできないものもある」と語り、その解決策として「”アフターピル”というものがあります」と主張する。駒崎氏はアフターピルについて
「これは性交渉後72時間以内に服用することで妊娠の可能性を95%下げられる薬です。効果は一時的で将来の妊娠には影響しない。つまり不妊になったりはしない」
とメリットを紹介した。
アフターピルは産婦人科の病院などに行って医師に処方してもらうが、
「課題がありまして、病院に行かないと手に入らない。そうすると、働いている人で『休日は病院が休みで』とか、なかなかハードルが高い。せっかく行っても産婦人科によっては置いていないところもある」
「(アフターピルが)あっても、2~3万円と高額なので若年層にとっては負担が重い」
と、簡単に手に入れられない現状を語った。
アフターピルは海外では安価なのだそうで、イギリスやカナダ、スウェーデンなどでは無料。有料の国もあるが、アメリカは6000円以下、フランスは800円だといい、日本と比較して格段に安い状況だと説明した。
さらに、海外では薬局で買えるといい、「大学の保健室みたいなところで、無料でもらえる」という国もあるようだ。
日本の性に対する古臭い認識が普及を阻害している?
そして、日本でアフターピルの入手が困難な理由について駒崎氏はこのように説明する。
「心ある医師が『オンライン処方して、病院に行かなくても処方しよう』とかやってるんですけど、これに対して厚労省は『グレーですよね?』みたいなことを言い出している」
「また、(薬局で販売できない理由を)『安易な使用が広がってしまう』と言い出したりするんですね。『セックスをし放題になるじゃないか』とか保守的なことを言う人がいる」
日本政府は、性交渉に対する考え方が堅苦しく古臭いため、なかなかアフターピルの必要性を理解していないということのようだ。ただ、駒崎氏は「ちゃんとオンラインで処方できたり、薬局で買えるようにすることが、女性や子供達を守ることに繋がる。一刻も早く日本でも導入するべき」と語気を強めた。