飲食店の7割が客とのトラブル経験 「髪が入っていたからタダにしろと数日後にクレーム」「SNSにウソの中傷書き込み」
シンクロ・フードは10月23日、飲食店のトラブルに関する調査の結果を発表した。調査は、飲食店の開業支援サイト「飲食店.COM」の会員である飲食店経営者・運営者269人を対象に行った。
最も発生頻度が高いトラブルは、厨房機器の不具合で、2番目に多いのは、空調の不具合だった。3番目は、客とのトラブル。「数年に1回」が33.8%、「年に1回」が24.5%で、「数か月に1回」も11.2%だった。合わせて69.5%の飲食店が客とのトラブルを経験していることがわかった。
「店員がお茶をかけてしまい、治療費、慰謝料、タクシー代、スポーツジムの月謝を請求された」
どのようなトラブルがあったのか具体的に聞いたところ、「新規の泥酔客が迷惑行為を繰り返し警察沙汰、客席での嘔吐」(東京都/バー/1店舗)といった声が寄せられた。やはり酔った客がトラブルを起こすことがあるようだ。
他にも、理不尽なクレームを入れられたという回答があった。
「お客様の言いがかり。数日経ってから髪の毛が入っていたのでタダにしろと店内でクレーム」(東京都/専門料理/1店舗)
「パートさんが過ってお客様にお茶をかけてしまって、治療費、慰謝料、タクシー代、スポーツジムの月謝等々請求されたこと」(神奈川県/寿司/1店舗)
店員にお茶をこぼされた場合、クリーニング代程度は請求できるかもしれない。しかし慰謝料やタクシー代、さらにはスポーツジムの月謝まで請求するのは、明らかにやりすぎだろう。
またSNSでのトラブルもあるようだ。店に落ち度があれば、ネットに悪評を書き込まれても仕方がない部分がある。しかし悪意のある嘘を書かれてはたまらない。
「お客様の勘違いによる一方的な非難。ネットへの悪意溢れる書き込み」(愛知県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
「『予約した料金の何倍も請求された』等とネットでウソの中傷を流された。私ひとりで運営できる規模なので、ありえないことです。しかし反論もできず悔しい思いをしています」(埼玉県/カフェ/1店舗)
「料理が出せなくなり途中でお客様に帰ってもらった」 設備面のトラブルも
従業員によるレジ金の横領は、「発生したことはない」が78.8%で最も多かった。しかし17.5%は「数年に1回」、2.2%は「年に1回」と答えている。
「現役従業員による店舗侵入、現金の盗難」(愛知県/居酒屋・ダイニングバー/3~5店舗)
「注文を受ける際、手書きの伝票を使用していたことがあり、会計を打たず、伝票を破棄し、その金額を横領していたことがある」東京都/アジア料理/11~30店舗)
他にも、設備の故障や天災によるトラブルに見舞われることがあるようだ。
「水回り、空調、電気ガス等のトラブルが営業中に起こった時。料理が出せなくなり途中でお客様に帰っていただくという事態があった」(神奈川県/イタリア料理/2店舗)
「通信不具合でクレジットカード決済が突然不能になったこと」(東京都/和食/2店舗)
「営業中にゲリラ豪雨により店内の浸水。それに伴い停電。会計業務もままならない状況」(千葉県/焼肉/101店舗以上)
こうしたトラブルに対しては「毎日不具合がないか確認をする」(奈良県/居酒屋・ダイニングバー/2店舗)などの対策を取っている経営者が多かった。