日商「最低賃金1000円は無理」にネット大反発 「1000円も払えないなら廃業しろ」「年収200万出せない企業が存在するのがおかしい」 | キャリコネニュース
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日商「最低賃金1000円は無理」にネット大反発 「1000円も払えないなら廃業しろ」「年収200万出せない企業が存在するのがおかしい」

に……

時給1000円あってもゆとりある生活には遠いのに……

日本商工会議所と東京商工会議所は5月28日、政府が検討する最低賃金引き上げに反対する緊急要望書を取りまとめた。政府は2017年の「働き方改革実行計画」内で、年3%の最低賃金引き上げを行い、全国平均1000円を目指すとしていた。実際に過去3年間では、年率3%を超える引き上げが実施されている。

しかし要望書では、

「足元の景況感や経済情勢、中小企業の経営実態を考慮することなく、政府が3%を更に上回る引上げ目標を新たに設定することには強く反対」
「名目GDP成長率をはじめとした各種指標はもとより、中小企業の賃上げ率(2018年:1.4%)など中小企業の経営実態を考慮することにより、納得感のある水準を決定すべきであり、3%といった数字ありきの引上げには反対」
「中小企業が自発的に賃上げできる環境を整備すべき」

と、政府方針に真っ向から対立する姿勢が明確にされた。同じ内容の要望書は同日、日商と全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会の連名でも出されている

「中小企業の経営者は、人手不足に対処するため実力以上の賃上げを強いられている」

日商の調査によると、2018年度に賃上げを行った企業は65.1%だったという。このうち、業績が改善していないにも関わらず人材の定着のために行われた賃上げが6割だった。こうした背景から、「中小企業の経営者は賃金支払余力が乏しい中、深刻な人手不足に対処するために、実力以上の賃上げを強いられているのが実態」と主張する。

最低賃金引き上げの直接的な影響を受けた企業は、2019年度は38.4%に上った。2015年度には20.7%で、年々増加している。中小企業は苦しい経営を迫られているとして、経営実態に即した政府目標の設定を求めた。

日商の要望書に、ネットでは大きな嘆息と怒りが出ている。2ちゃんねるでは、

「ホント日本は落ちぶれたよな オーストラリアとかEUとかアメリカとか最低賃金1300円以上だろ?それが1000円も出せないとかほざいている」
「本末転倒。年収200万しか出せない企業が存在するのがそもそもおかしい」
「人の人生使うんだから、300位(編注:300万円)は出そうぜ 出せないんなら規模小さくして個人でやれ 儲けは欲しい金は出さないとか、ムシが良すぎ」
「200万も従業員に出せないなら潰れるのもやむなしだろ……」
「1000円も払えないなら廃業しろよ。甘えた事言ってんじゃねーよ」

などの反発が相次いだ。

最低賃金1000円でもゆとりある生活はできない

一方、日商に理解を示す声も出ている。最低賃金の引き上げは「労働者にとって素晴らしいこと」だが、「現実問題として限界集落的な立地のど田舎のコンビニがどうやって時給千円を払うのかね」という指摘だ。賃金が支払えずに中小企業が潰れる可能性や、これまで安く使えていたサービスが大幅に値上がりすることも覚悟しなければならない、という声もあった。

とはいえ、最低賃金1000円は決して生活にゆとりのある額ではない。埼玉県労働組合連合会が2016年に実施した調査によると、25歳の単身男性がさいたま市で、健康で文化的な生活をする場合、一か月で必要な出費は17万3524円だった。税金や社会保険料を入れれば、月収で24万1879円必要と算出されている。一般的な労働者の所定内労働時間である150時間で換算すると、時給は1613円になる。月160時間労働だとしても時給1511円は必要だ。

厚労省の諮問機関である中央最低賃金審議会は17日、非公開で最低賃金引き上げの議論を始めた。今後は7月頃に目安が決まり、これを踏まえて定められた都道府県ごとの最低賃金が10月から適用される。

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