「人生のレールに意味はない」インドでの原体験から学んだ、最速で成長するための“リスク”のとり方 | キャリコネニュース
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「人生のレールに意味はない」インドでの原体験から学んだ、最速で成長するための“リスク”のとり方

【石川 桂太】株式会社エアークローゼット 社長室長 執行役員CSO

【石川 桂太】株式会社エアークローゼット 社長室長 執行役員CSO

文化も習慣も違うインドの会計事務所でインターンを経験し、野村総研インド法人では史上最年少シニアコンサルタントに抜擢された石川桂太氏。その後、エアークローゼットへ転職、執行役員 CSO 社長室長に就任したいま、「ファッションレンタル」という新しいカルチャーを日本に根付かせようとしています。

常に未知の環境に飛び込み、挑戦し続ける石川氏は、なぜ20代という若さでリスキーな行動が取れたのか。石川氏のマインドセットとは。これまでの石川氏が歩んできた道のりを伺うと、その裏には大きな挫折と価値観を大きく変える出来事がありました。

「人生のレールに意味はない」リスクが高いほど成長の伸びしろがある

—— 石川さんは「リスクをとる」「直感を大切にする」という価値観を大切にしているとお聞きしました。その想いが芽生えた背景があれば教えてください。

大学 3 年生のときにインドでインターンをしたのがきっかけです。正直、インドに飛び込んだ当初はリスクをとるという考えはありませんでした。しかし、インド人が 500 人くらいいる会計事務所で働くようになって価値観がひっくり返りました。

当時僕は、大きい会社に入ってそのまま出世してというのが普通だと思っていました。しかし、そこで出会った唯一の日本人の先輩は自分とは全く違う価値観を持っていて、大手の監査法人をやめてバングラデシュで NPO を立ち上げるなど、自分が考えたことがない全く新しい生き方をしていました。日本人の中にもこんな人がいるんだと驚きを感じました。

そして、現地のインド人たちの多様な価値観に衝撃を受けました。とにかく自由なんです。格差社会で月 2〜3 万円の給与しかないにも関わらず人生を楽しんでいる人たちがいたり、本来は貧困で守られるべき対象の人がたくさんいるのに皆自由に働いている。一方で語弊なく言うと、日本の労働者は守られ過ぎているなとも感じました。

—— インドでそういった価値観に触れ、どういったキャリアの選択をされたのでしょうか?

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人生のレールに意味はない。「一人ひとり違うし自由でいい」と思ったので、インターン後にそのまま現地に残り就職することを選択しました。日本でも、大手からベンチャー、監査法人までいろいろとキャリアの選択肢はありましたが全部お断りして、当時インドで立ち上げて 2 年目だった野村総研のインド支店に新卒で入りました。僕を入れて 6 ~ 7 人しかいませんでしたが、リスクをとった分、成長の振れ幅は大きいと思ったのです。

また、人って変わった経験をしている人の話に興味を持ちますよね。僕の場合はインドでインターンをして英語もある程度話せて、会計士の資格も持っていて、キーワードで言えば「インド」「会計士」「英語」という 3 つだけでもかなり尖ってきていたので、帰国して日本の企業に入ると僕自身が面白くなくなるとも感じていました。それもあって、当時まだ小さかった野村総研のインド支店を選べば、普段話せないような人とも会話できたり面白い話題を提供できると思ったのです。

「日本に帰りたかった。」資料 100 枚作っても 1 枚も使われないこともあったインドでの挫折

—— リスクを取りながら困難を克服していく石川さんのチャレンジ精神はどのように培われたのでしょうか?

新卒で入社した会社で最初の上司がインド人でした。クライアントもインド人だったので、当然言葉の壁にぶつかりました。さらには研修制度が一切なかったので、入社初日から OJT で仕事をはじめるという状態で。学生上がりの僕は資料のつくり方もわからないから、先輩の資料を読んで真似するしかなく、最初の 3 ヶ月くらいは本気で日本に帰りたいと思うくらいしんどかったです。

新卒で採用されたのはおそらく僕が初めてで、周りのみんなは職歴がありました。同期がいなかったので自分ができる人なのかの基準もわかりませんし、資料を 100 枚作って 1 枚も使われないなど挫折も経験しました。

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—— その環境でも諦めなかったのはなんでですか?

負けてられない。世界で活躍する人になりたい。そんな想いからですね。インドにいるからにはインド人と同レベルで自分の価値を発揮しないといけないし、それくらいの仕事ができるようにならないといけない、という考えがいつもありました。だからこそ、僕なりの付加価値を出したり、インドの人が考えられないくらいのアイデアを加えた提案をしていけば、少なくともそのタイミングでは世界で活躍している人になれる。なので、そこを目指してやっていました。

あと、影響力がすごく大事だと思っていて、自分の影響範囲が広ければ広いほど正しい信念とか価値観を広げて世の中をよくできるので。そう思って通常若手だと 90%のコンサル稼働率のところを、僕は 180%くらいの稼働率でがむしゃらに働いていました。本当に若気の至りですよね(笑)。

「事業として成り立たないと思っていた(笑)」伝説となり得る行動をとること

—— リスクを取りながら成長していた石川さんが、次の挑戦の場をエアークローゼットにしたのはなぜですか?

コンサルタントとしての階級も上がってきた中で、次第にしっくりこなくなることがありました。それは、自分で事業を担っているわけではなく、成果は他人(クライアント)のものになるので、もっと自分の事業に 24 時間 365 日没頭したいという想いが湧いてきたのです。

とにかく20 代はリスクをとって成長するべきだと思っていて、その成長には何が一番良いのかを考えたときに、大きな権限が与えられるスタートアップ企業で働くか、自ら起業するのが良いという思いに至り、コンサル業から離れました。

エアークローゼットを選んだのは、世の中に新しい概念をつくるサービスだなと思ったからです。代表の天沼に Facebook Messenger で連絡して日本に帰国するタイミングで会い、事業のことを聞いて確信が強まりました。

エアークローゼットのことをもう少し話すと、僕はイノベーションが起こるのは 2 つの要因しかないと思っていて、1 つは新しいテクノロジーをつくってそれを世の中に広めること。もう 1 つは、お客様のライフスタイルをつくること。エアークローゼットは後者だとピンときたのです。

—— エアークローゼットにジョインするのにリスクは感じましたか?

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正直なところ事業として成り立たないと思っていました(笑)。でも、やっていることは正しいので、これが事業化できれば、今後どんなことでも事業化できるのではという自分への挑戦の意味合いも大きくありました。

あとエアークローゼットに入るタイミングも、リスクをとった意思決定だと思っています。ベンチャーで創業メンバー 3 人くらいしかおらず、まだ事業も成り立っていなくてお客様もいない状態。このフェーズで入社すれば、僕自身も大きな成長が得られると思っていたので選びました。

—— ご入社されてからはどんな仕事をされたのでしょうか?

入社したタイミングでやっていたことは、エアークローゼットのコンセプト自体を数値化すること。事業計画と KPI の設定をして、目標値を数字で示せるようにしました。

ビジネスモデルとしてこういう風にすれば成り立つというのもなかったので、最初にそこを考え構築していきました。会社としては資金調達が一段落していたところでしたが、事業計画書を持って VC や金融から出資を仰ぎ、さらに 10 億円ほどの資金を調達しました。

新卒の野村総研のときに M&A などは経験していましたが、資金調達は初めて。その後はマーケティングを見るようになって、エアークローゼット自体の事業をどう伸ばしていくかというところも責任を持ってやっています。

大きな企業であれば前年比 5%〜10%の成長率でいいかもしれませんが、エアークローゼットではコストを半分にしつつ、売上 3 倍といったパフォーマンスが必須というベンチャーならではの戦い方をしないといけない。やること全てがリスクですが、その分リターンも大きいことを常に意識していて、未来の自分が振り返ったときに伝説になり得るかを考えて行動しています。

—— 伝説……ですか?

元々は僕が敷いた事業計画なので、プレッシャーを自分に課し、あとはやるだけ。「大きなことになり得るか」というのはすごい意識をしていて、そうじゃないと細々としたことに注力しがち。もし当たったときに「あれがあったからすごかったよね」と言えるような伝説となり得るかという意味です。

「リスクを張って成長の角度をあげる経験が重要」更なる成長に向けて強い組織をつくっていく

—— 今後の石川さんの展望を教えてください。

会社のミッションとしては「ワクワクが空気のように当たり前になる世界」を掲げていますが、それは会社として目指す姿。個人的な目標でいうと近い将来に上場を目指しています。

そのために、当社のメンバーはどうふるまうべきなのかを定めた 9 ハーツという指針を大切にしています。

具体的には、スピード感を持って動く。失敗しても、二回同じ失敗をしないよう学んで次に活かしていく。大変なことがあっても前向きに乗り越えよう、というのがざっくりとしたメッセージです。エアークローゼットで働く人は、この 9 ハーツがあることが大前提です。

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もう 1 つ、企業としての目標でいうと一人ひとりが活躍できる組織をつくること。事業と組織は両輪で、社員が成長できる状態にある組織をつくっていくことが大切です。

僕自身、現在は社長室にも席を置いていますが、エアークローゼットで何かを成し遂げた人間が他の会社へ転職したり独立することは全然ありだと思っています。この会社から多くの人材を輩出して、エアークローゼットマフィアをつくりたいと思っています。

インドで出会った憧れの方が言っていた言葉が「できるかできないかではなく、やるかやらないか」。僕自身、その言葉がとても印象に残っていて、この事業も信じてやりきれるかが大事だと思っています。

僕は少なくとも、世の中に対して大きなインパクトを出せるような影響力のあるような人間になりたい。 成長志向があるなら、ある程度リスクを張ってどこかで成長の角度をあげるような経験をしていかなければいけないと思っています。特に、スタートアップの中で自由度を与えられて自分で考えて自分で動ききって数字を出していくという経験は必ず成長につながるはずです。

エアークローゼットとしても、次の 3 倍 4 倍の成長を視野に事業を展開しています。インドにいったとき日本企業は落ち目だったけど、いつか海外で注目されるような日本企業をつくりたい。そのために人が成長できる環境をつくりたいし、貪欲に成長したい人と一緒に働きたいですね。

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