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「仕事との向き合い方一つで人生は変わる」中小企業の “かっこいい”社長たちの生き様から学んだこと

【宇津木 貴晴】freee株式会社 マーケティングマネジャー

【宇津木 貴晴】freee株式会社 マーケティングマネジャー

どんな職種でも、仕事との向き合い方一つで人生や価値観は変わる。 2度の起業を経て、現在はfreee株式会社のマーケティング部マネージャーを務める宇津木貴晴氏は、 インターン時代に出会った中小企業やスモールビジネスの社長たちの生き様に感銘を受け、 一貫して中小企業にITサービスを提供することで社会を良くしたいと突っ走ってきました。 成し遂げたいことを実現するために宇津木氏が選んできた道や、仕事との向き合い方とは。

仕事との向き合い方は、中小企業の“かっこいい”社長たちから教わった

—— 宇津木さんは 2 社の起業を経て freee に入社したと伺いました。どういった経緯があったのでしょうか。

僕が学生だった 2000 年半ば頃は、 堀江貴文さんや藤田晋さんなどの起業家がたくさん世に出てきたタイミングだったんですね。 大学を卒業して就職する以外にも、起業して社会に貢献する道もあるんだと知って、 20 代のうちに起業したいと思うようになりました。

ただ、メディアで彼らの起業ストーリーを知っても、いまいちピンとこない。 会社が成長する過程を体験したいと思って、スタートアップでのインターンを始めました。

そこで携わったサービスが、中小企業向けの集客や顧客管理ができる IT サービスです。 数人のスタートアップだったこともあり、インターンとはいえ自分で考えて仕事をしていたので、 当時はお客様である中小企業の社長さんたちからいろんなことを教えてもらいましたね。

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なかでも自分にとって財産になったのは、仕事との向き合い方。 ビジネスの大小に関わらず、自分で覚悟と責任を持って経営し、 そのビジネスで新しい価値を提供したいと語る社長の姿は純粋に「かっこいい」と思ったんです。 だから、もっと中小企業やスモールビジネスを IT サービスで支えたいと思い、大学を卒業後はそのまま入社しました。

それから 5 年が経った頃、僕はその事業を買い取って独立。これが最初の起業です。 ただ、事業も顧客もそのままだったので、やることは何も変わりません。 僕がやりたいのは、ゼロイチの起業。 その思いが強くなった数年後、一緒に独立した仲間に会社を託して、再び起業しました。

大切なはずの「大義」がない中で感じた、明確なミッション・ビジョンの中で働くことの大切さ

—— 2 社目はどのような事業で起業したのですか?

同じように、中小企業などスモールビジネスに IT サービスを提供し、世の中を良くする事業を作りたいと思いました。

日本の労働生産性は先進7カ国のうち最下位で、特に低いのが中小企業。 その労働生産性は大企業の 2 分の 1 しかないんですね。 これを上げるにはテクノロジーの活用が不可欠ですが、 IT サービスの浸透率を見ると大企業は7割を超えているのに、中小企業は 4 割程度しか浸透していません。

これこそが、他の先進国との大きな差。 日本の 400 万事業者のうち、99.7%は中小企業なので、中小企業の IT サービス活用が浸透しない限り、 日本の労働生産性は上がらないということなんです。

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だから「中小企業こそテクノロジーを使うべき」という強い思いを持っていたのですが、 その思いは、あるセミナーでコンサルの方が言い放った言葉によってさらに強くなりました。

そのコンサルの方は中小企業の社長たちに 「今の時代は安価に使えるテクノロジーがあふれているのに、それを活用しない経営者は怠慢以外の何物でもない」 と言ったんですね。

聞いた直後は衝撃的でしたが、これがまさに正論。 一昔前は大企業しか使えなかったようなテクノロジーが、今は安価で使えます。 それならできない理由を探すのではなく、まず使ってみるべき。

そこで僕は、決済周りをもっと楽にしたい、 キャッシュレスの世界を作りたいと思い、 当時アメリカやシンガポールで成長していたサービスを勉強して起業しました。

ただ、これが本当にうまくいかなくて(苦笑)……。 苦しい状態が 2 年は続きましたね。いくら成し遂げたいことがあっても、資金が底をついたら何もできない。 生きていくためには稼がないといけない。

だから、掲げていた大義は横に置いて、稼ぐことだけに集中したんです。 すると事業がうまく回るようになり、だんだんと事業がうまく回るようになり、 何もしなくても小銭を得られるようになって、そこから守りに入っていきました(笑)。 そこでハッとしたのが「自分がやりたかったことはこれではない」ということ。

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大義のない稼ぐための事業だったから、 胸を張って「自分のサービスで社会に価値を提供しています」とは言えなかったし、 僕がかっこいいと思っていた中小企業の社長さんたちの姿ともかけ離れていた。 だからといって、その事業を回しながら、もう一度ゼロイチの事業を作る一歩も踏み出せずにいて。

どうしようかと知人に相談すると、「一度、就職してみたら?」とアドバイスをもらいました。 これが僕にとっては目からウロコで、 「そうか、どこかの会社に所属して、もう一度ゼロから学び直すのもアリだな」と道が拓けました。 そこから複数の企業と話をして、出会ったのが freee でした。

覚悟を決めて、もう一度ゼロから学び直すために。32 歳の再出発に選んだ freee

—— 経営者の立場から、再び企業の正社員になるのは勇気がいったことだと思います。 そのなかでも freee に惹かれた理由を教えてください。

僕がやりたいと思っていたこと、 中小企業に IT サービスを提供することの社会的意義を言語化していたのが freeeだったからです。

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freee は、「スモールビジネスを、世界の主役に。」をミッションに、 中小企業がテクノロジーを活用することで、より創造的な活動にフォーカスでき、 よりスモールビジネスが輝くことのできる社会を作ろうとしていた。 なんとなく思っていた自分の思いが言語化されて体現していることにグッときました。

加えて、社会のレールに捉われないユニークな経歴のメンバーが活躍しているなど、 freee には多様性を受け入れる土壌がありました。 僕も経歴は紆余曲折しているので、この会社なら合いそうだと思いましたね。

—— とはいえ、経営者からサラリーマンに変わることに抵抗はありませんでしたか?

抵抗はなかったというと嘘になりますが、 経営者と言っても 2 社目は 1 人でやっていたので個人事業主みたいなものだし、 起業していた人が入社するということは、事業は成功していないということと同義だと思うので、 32 歳でしたが新卒のつもりでゼロから学び直そうと覚悟を決めました。 最初に配属されたセールスチームでは最年長でしたけどね(笑)。

セールスからマーケチームへ。より事業成果にフォーカスした組織改変へ

—— セールスから始まり、今のポジションになるまで何をしてきたのでしょうか。

入社後はインサイドセールスを担当しました。

IT システムなど法人向けサービスの場合、 安価なものを全国の中小企業に販売するのは効率が悪いので、 どの会社も高額なサービスを大企業に提供しがちなんですね。 その結果、大企業の IT システムなどのテクノロジー活用率が高いとも言われています。

でも、freee はクラウドツールを使ったインサイドセールスで 全国の小規模法人まで安価なサービスを提案していました。 インサイドセールス自身が freee のやりたいことを体現しているんだと実感しましたね。

とはいえ、やればやるほどもっともっと最適化できるはずと感じるように。 セールスはオンラインマーケが獲得したリードすべてにアプローチしていたのですが、 蓋を開けてみるとその2割、多い時では4割とコミュニケーションが取れていなかったのです。

そこで、リードの獲得とインサイドセールスアプローチの間のブラックボックスとなっている部分を もっとユーザー視点で解明して最適化するために、 そこまでリソースを割けていなかったカスタマーマーケティングチームを新規リニューアルして担当しました。 freee が持つ、中小企業から個人事業主までの莫大な N 数に対して行なっていたアプローチ情報などを元に、 さまざまな分析と検証を重ねた結果、リードに対するアプローチの度合いを定義できるようになり、 セールス&マーケティングチームの ROI が大きく改善されました。

そこから、リードの獲得数と事業成果の相関をもっと上げていくために、 チームの統合などの組織改編にもチャレンジしていきました。

顧客とマーケットと徹底的に向き合って、中小企業が輝く社会を作りたい

—— freee でゼロからの学び直しを始めて4年、一番学んだことは何でしょうか。

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一番は、「チームで結果を出していくこと」です。 そんなこと当たり前のことなのですが、過去に自分は数名の会社でしか働いたことがなかったし、 起業していた頃は自分が動けばそれで良かったので。

誰がどんなことをやるか、そこにどんな意味があるか、どんな環境でできるか、 心理的安全性がある中で建設的な議論が行えているか、キャリアにどう繋がるか、 そもそもどんなことをやっていきたいのか、このやり方や伝え方は正しいのか、 本音を引き出せるマネジメントができてないのではないか、メンバーの役に立てているか、 など人と向き合うことの難しさと大切さを痛感していますし常に悩んで試行錯誤しながらやっています。

向き合い方は画一的であってはいけないと思うし、奥が深くて難しいマネジメントは、 この先もずっと勉強しないといけないテーマだと思っています。

—— 今後の人生で、宇津木さんが成し遂げたいことは何でしょうか。

実現したいのは、やはりスモールビジネスの人たちが輝ける世界をつくること。 新しいサービスやイノベーションが生まれる世の中は純粋に面白いですし、 何よりスモールビジネスの経営者はかっこいい。 それを多くの人に知ってもらうことで、 中小企業を就職先に選ぶ人や起業する人が増えたらいいなと思っています。

今は freee で、中小企業の活躍を阻害している労働生産性問題をテクノロジーで解決しようとしていますが、 その先にはテクノロジーを扱える人材がいない問題や、 黒字なのにも関わらず倒産せざるを得ない事業継承問題もあり、 できることがあればその辺りにも貢献したいと思っています。

とはいえ、僕や freee の中小企業への思いをメンバーには強要していません。 僕は原体験を持っていたので人一倍思いが強いだけ(笑)。 大切なのはしっかりとユーザーと市場と向き合って、 少しずつでも自分たちがやっていることが社会にとってインパクトのあることだと感じられること。 その過程で、スモールビジネスへの思いが生まれたらもっともっとやりがいに繋がるのではと考えています。

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