梅雨時は不安定な天候が続く。突然の雨で傘を買う羽目になり余計な出費がかかってしまった、誰かに傘を盗まれたなど、雨具にまつわる嫌な思い出がある人も少なくないだろう。
中でも特に、傘泥棒にがっかりさせられた経験は多くの人が持っているのではないだろうか。ガールズちゃんねるに7月7日、「傘を盗まれた」というスレッドが立った。スレ主は1週間で2回、立て続けに傘を盗まれ、「どうしたら盗まれずにすむのでしょうか」と助けを求めた。(文:石川祐介)
「財布は戻ってくるのに傘は盗られる。不思議な国ニッポン」
スレッドには、同じように誰かに傘を持っていかれた人が多く集まり、様々な対策が寄せられた。ビニール傘は盗まれる率が非常に高いため、普通の傘を持つことを推奨するコメントが目立ったが、「ビニール傘は使わないようにしようと思ってたけど、普通の傘でも盗まれる」と反論する声も見られた。
他にも、「”警視庁”って書いたシール貼ったら効果あるらしい」と、傘の取っ手部分にシールを貼ることを提案する人もいた。しかし、傘を盗む人は盗んだ傘を使い続ける気はないため、どれだけ工夫しても取られる確率を0%にするのは難しそうである。
また、常に手放さず持ち歩くことを提案する意見もあったが、
「コンビニだと盗まれるからしょうがなく傘立てに置かず、店内に持ち込んでいるのに、床が濡れるからと店員に睨まれるのが怖い」
と、ジレンマに苦しんでいる人もいた。「財布は戻ってくるのに傘は盗られる。不思議な国ニッポン」というコメントもあったが、確かにそのとおりだ。
「先生に傘借りたら『下駄箱に置くあなたが悪い』と言われた」
傘の盗難は、コンビニやスーパーなど不特定多数が訪れ、持ち主が一時的に傘から離れることの多い場所で発生することが多い。被害に遭った人からは、
「小学校の授業参観でも盗まれました」
「私はお気に入りの傘を職場で盗まれたよ。職場だし傘を忘れた人がちょっと借りたならまだ許せるけど未だに戻ってこない」
「就活の企業説明会で盗まれたことがある」
と、様々な場所での被害報告が寄せられた。もはや家以外で傘が盗まれない場所は存在しないのかもしれない。
なぜこれほどまでに傘は簡単に取られてしまうのか。その原因は「下駄箱の方に置いておいて盗られたことある。先生に傘借りたら『下駄箱に置くあなたが悪い』と言われた」というコメントから推測できるように”盗まれる人の自己責任”と考え、他人の傘を盗むことに罪悪感を抱かない人が一定数いるからかもしれない。
「ビニール傘はみんなのものという感覚。自分のが取られたら他の適当なの持っていくから腹も立たないし気にしない」
と、「盗られるもの」と諦めている人の存在も、傘盗難がなくならない一因と考えられる。
傘を盗んだ人を見つけることは非常に難しいため、せめて肌身離さず持っておくことが唯一の解決策だろう。ちょっとした隙に盗まれる事が多かったため、折り畳み傘を持ち歩くようにした、という人も多かった。”性善説”を信条としている人も、雨の多いシーズンだけは”性悪説”を念頭に置く必要がありそうだ。