「入社8年目」といえば、新人としてがむしゃらに仕事を覚える時期を通り抜け、中堅社員として輝き始める頃でもある。しかし一方で、新天地を求めて「転職」という決断をする方がいるのも事実だ。
入社8年目で転職をする裏には、どのような理由が隠されているのだろうか。筆者自身の経験も踏まえ、分析していこう。
「これは本当に自分がやりたい仕事なの?」社会人モラトリアムに陥る
入社7、8年目になると、良い意味でも悪い意味でも、毎日の仕事に“慣れ”が生まれる。毎日のように変化が楽しめる仕事であれば良いのだろうが、現実には、そうした仕事ばかりではない。
とにかくがむしゃらに仕事を覚えた新人時代。先輩たちに叱られ、揉まれ、毎日が必死だったように思う。自分自身が初めて後輩を指導する立場になったときも、そうだ。どうすれば良いのか、日々試行錯誤した。
とはいえ入社8年目ともなると、こうした業務にも慣れが生まれてくる。そんなタイミングに生まれるのが「自分が本当にしたかった仕事は、コレだったのだろうか……」という疑問なのだ。
社会人経験を積んで湧き上がる「他業種へのあこがれ」
こうしたタイミングでムクムクと胸にわいてくるのが、他業種へのあこがれである。正直、新卒時には「採用してくれる会社に行く」という考えもあった。自分が本当にやりたい仕事なのか……わからないまま飛び込んだというところもある。
しかし社会人としての経験が広がるにつれて、学生時代よりも幅広い仕事を知ることができた。「もしかして、自分の能力を本当の意味で発揮できるのは、この会社ではないのかもしれない……。」そんな気持ちが生まれてきたのも、この頃だった。
キャリコネに寄せられた口コミの中にも、
「違う業界に興味を持ち退職することになったが、業界自体が嫌になったわけでは無かった。この業界にはこの業界特有のやりがいもあると感じていた。」(代理店営業、30代前半、男性、正社員、年収350万円)
といった意見がある。30代を迎える頃になると、新たな自分を見つけやすくなるのかもしれない。
「これが最後のチャンスかも?」転職市場「35歳」の分岐点に対する焦り
転職への思いを漠然と抱いてはいたものの、そう簡単に決断できることではない。パワハラなどに悩まされていたわけではないし、むしろ人間関係には恵まれていたように思う。
そんな私が転職を決断したきっかけになったのが、今が最後のチャンスかもしれないという思いだ。
30代には、ライフスタイルの変化を経験する方も多い。状況によっては、仕事との向き合い方を変えざるを得ないこともあるかもしれない。また転職コラムを読んでいると、「35歳」という年齢が一つのハードルになる!という意見も多数目にした。
転職するためには、確かにさまざまなハードルをクリアする必要がある。しかしそのハードルとは、これから先どんどん高くなっていく一方なのでは……?と思ったときに、具体的な転職活動のスタートを決めたのだ。
キャリコネに寄せられた口コミにも、以下のようなものがあった。
「成長できる環境に満足はしていたが、家庭との両立が難しく、退職しました。子どもに手がかからなくなれば、私はまた働きたいと思える環境ではありました。」(マーケティング、30代前半、女性、正社員、年収500万円)
「将来設計をする上で、定年まで働いてキャリアアップできるかどうかを考えたときに、この会社では将来像が見えなかったのが(退職の)一番の理由です」(ルートセールス、30代後半、男性、正社員、年収450万円)
これから先に不安しかないのであれば、最後のチャンスに飛びつきたい!と思うのは当然のことだと言えるだろう。入社から8年目というのは、こうした現実を冷静に見極めるべき時期なのかもしれない。
さて、こうして転職を決断したわけだが、また同じような企業に就職しても、同じことを繰り返すだけだ。次の転職では、より厳しい状況が待ち構えているだろう。
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