もはや就活ナビサイトに優秀な学生はいない!? ”ナビ離れ”で起きている変化
今現在、企業で働いている社会人の中にもナビサイトを使って就活したという人は多いのではないでしょうか?
ナビサイトは1990年台以降、ネットの普及と共に新卒採用の主流となり、2019年3月にオープンしたリクナビ2020は約3万1000社、マイナビ2020では約2万4000社もの企業が求人を掲載しています。
ですが、昨今の売り手市場に伴い、ナビサイトに掲載してエントリーを「待っている」状態で学生を集められるのは基本的に大手企業のみで、母集団形成に課題を抱える企業が増えてきました。
そこで様々なサービスが誕生し、新卒紹介、マッチングイベント・アプリ、ダイレクトリクルーティングなど、企業にとっては採用手法、学生にとっては就活方法の幅が広がった結果、就活生の「ナビサイト離れ」という言葉が生まれ、ナビ離れが進んでいます。(株式会社トヨコー 経営戦略室 中村 勇太)
優秀層は主体的に考えながら新しいサービスを取捨選択している
私自身、毎年200人以上の学生とお会いする中で、就活方法の変化を肌で感じ、そして優秀な学生ほどナビサイトを使っていないのでは?と思うようになりました。
新卒採用を実施している企業が3万社以上ある中で、実際に就活生が説明会に参加できる数は多くても100社程度です。つまり、情報戦を勝ち抜き、自分自身とマッチした企業をいかに効率よく見つけ出せるかが重要です。
現在、株式会社トヨコーの採用をする中で、「どの媒体から来る学生が優秀か」という視点で、採用サービス比較をすると、比較的新しいサービスから集客した学生の方が、優秀であることが多いです。
これは新しいサービスだから、優秀な学生が必ずいるという事を言っているのではなく、自分で主体的に考えながら、取捨選択をしている高い学生が新サービスを使っている傾向が高いということです。
多様なサービスを活用して自分にマッチした企業を探す
以前、私は企業の社長と就活生をつなぐ新卒マッチングアプリの立ち上げに携わっていたのですが、そこでも参加学生を見ると、主体性と行動力のある学生が多かったのが印象的でした。
一方で、ナビサイト等の既存有名サービスのみを使っている学生は、与えられたものの中で就活を行い、与えられた選択肢の中のみで意思決定を行います。どちらの学生を企業が求める学生かは一目瞭然です。
だからこそ、就活生には、「就活サービス」の好き嫌いをせず、様々なサービスを利用して自ら行動して、企業との出会いを増やしてほしいです。また、企業には既存のサービスにこだわるのではなく、逆求人などの新しいサービスをどんどん導入して試してほしいと思っています。
そうすることで、新卒採用自由化期において、就活生は自分にマッチした企業を、企業は自社が求める優秀な人材を獲得できるのではないでしょうか。
【筆者プロフィール】中村 勇太
新卒では大手金融会社に就職。その後、人材ベンチャーに転職し、約300社の企業と1,000名以上の学生のキャリアコンサルを行う傍ら、多くの学生をインスパイアするための「社長と学生が気軽に出会える」マッチングアプリの立ち上げを行う。現在は株式会社トヨコー経営戦略室、人事責任者。