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「あなたの強みを教えてください」は、下手な面接担当者ほどよく聞く質問である

「強み」、「弱み」は聞くことではない

「強み」、「弱み」は聞くことではない

採用面接で「あなたの強み、弱みを教えてください」と尋ねる質問は、あまり良いものではないと思います。世界中で研究されている採用面接の基本中の基本は「事実を聞く」ことで、それは国連の面接ガイドラインにも書かれていることです。

その人が実際に「やってきたこと(事実)」を聞いて、そこから一体どんな人であるかを解釈し、推測するのが面接担当者の仕事です。それなのに、応募者自身に自己解釈させて「へえ、そういう人なんですか」と聞いていては、本来やるべき仕事をやっているとは言えないでしょう。(文:人材研究所代表・曽和利光)

どんな人も「何かの天才」であるはずなのに

理屈っぽい言い方で恐縮ですが、人にはそもそも「強み、弱み」などというものはなく、あるのは「特徴」だけだと私は思っています。

もちろん、特定の仕事や環境を前提とした際には、その特徴が強みになったり、弱みになったりするのは分かります。しかし、そういう前提なしに「あなたの強み、弱みは?」と聞かれても、困ってしまうのではないでしょうか。

例えば「知的好奇心が旺盛」と聞いて、強みと思う人は多いでしょう。しかし、私が以前勤めていた金融機関では、場合によっては「飽き性」と捉えられ、一つのことを長く深く続けられない弱みと捉えられることもありました。

同じように、ストレスに強いのは「鈍感」なだけかもしれませんし、志が高いのも能力がついていかなければ空回りし、日々の必要な雑事をバカにして「凡事徹底しない」と思われるかもしれません。それだけ「強み、弱み」は相対的なものなのです。

逆に言えば、一般的に弱みとされる特徴でさえ、強みに転じることがあるということです。極端な言い方をすれば、私は「要らない人は一人もいない」と思っています。どんな人にも、どこかに生きる道がある。どんな人も何かの天才なのです。

それを見つける旅が人生であり、キャリア開発なのではないかと。ところが多くの人は、自分の特徴をなぜかネガティブな言葉で表現して、自ら自信を失うようなことをしています。それでは楽しいキャリアは歩めません。

楽しいキャリアは「ポジティブな言い換え」から

楽しいキャリアを見つけるために必要なことは、物事をポジティブに言い換えることのできる語彙力です。聖書の「はじめに言葉ありき」ではありませんが、同じことでもポジティブに言うか、ネガティブに言うかによって、まったく効果が違ってきます。

優柔不断は「慎重」と言えば、ポジティブな特徴になります。軽率は「フットワークがよい」、神経質は「感受性が豊か」、気が小さいは「注意深い」、大雑把は「おおらか」、融通がきかないは「まじめ」、頑固は「信念がある」、せっかちは「行動が早い」、気分屋は「感情表現が豊か」等々、いくらでも表現できます。

このように、一見すると弱みと言われてしまいそうなことでも、見方によっては強みになり得ることが、分かっていただけたのではないでしょうか。

これは決して言葉遊びではありません。本当のことです。例えば、明るい、暗いみたいなことですら、例えば「明るい葬儀屋さん」など求められていないように、暗い、言い換えれば、落ち着いている、物静かであるという特徴を求めている仕事はいくらでもあるのです。

むやみな卑下で、可能性の芽を摘んではいけない

多くの会社の「求める人物像」を分析した経験から断言できます。企業側が低い評価をするのは、その人の特徴に対してではなく、その特徴を本人がネガティブに解釈していることに対してです。

なぜなら、どんな特徴も「どうせ俺なんて」と思っていては活用できないからです。ですから、持つべきものは自信なのです。

なかなか難しいとは思いますが、上に挙げたような「ポジティブ言い換えワーク」などを、他人の力を借りたりしながらやってみると、自分の意外な可能性に気づくこともあるかもしれませんよ。

そういうことをせずに、むやみな卑下をして自分の可能性の芽を摘んでしまうことだけは避けて欲しいと願います。

【筆者プロフィール】曽和利光
組織人事コンサルタント。京都大学教育学部教育心理学科卒。リクルート人事部ゼネラルマネジャーを経てライフネット生命、オープンハウスと一貫として人事畑を進み、2011年に株式会社人材研究所を設立。近著に『人事と採用のセオリー』(ソシム)、『コミュ障のための面接戦略』(星海社新書)。

■株式会社人材研究所ウェブサイト
http://jinzai-kenkyusho.co.jp/

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